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イルカは謡わない

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私の詩

私の詩です。なるべく共感してもらえることを目指します。

2010年04月04日 01:02  by 

コメント一覧 15件中、11~15件表示

  • 溶けたろうが固まる刹那をあなたに重ねた。
    指に絡み付く怨念に似たろうは今はもう。
    熱さに耐えるように、私は生きて、いつか溶けて。

    2010年04月27日 20:36 by

  • 痛みとは何か?私たちは感覚に依存し過ぎているきらいがある。冷たさと熱さの違いに鈍いように、痛さについて余りにも知らなすぎ る。
    あなたは今痛みを思い出せるか。きっと、思い出せないはずだ。痛みとは認識した時点で存在してしまい、逆にそこにあって初めて 認識出来るようになる儚いものだからだ。
    私たちは痛みを所有する側であるのに、現状は痛みに支配されている。私はこれにいささかの戸惑いを覚える。それゆえ、私は痛み について知ろうと試みる。
    右手にコンパスを持つ。それをおもむろに左手の真ん中に“あてる”。私はこれを痛みとしない。冷たい鉄の温度を感じ、コンパス が肌に触れたことを認識した。
    次に力をわずかに“込める”。私はコンパスの存在を強く感じる。肌が抵抗しようと張り始める。
    次に針を“刺す”。プツンと音と同時に手のひらに血が滲み、痛みを感じた。いや、痛みについて探索しているのに、ここで痛みを 感じたと表現するのは体系的におかしい。訂正。私は強い点の存在を感じ、それは点であるのに身体中にしびれを伝播させた。人はこ れを嫌がる。私の手が震えるが、私には痛みをマイナスとする論理がまだ成り立っていないので素面で、力を込め続ける。フツフツと 奥に針が侵入していく。私はまだ痛みが分からないが、体は拒否反応を素直に示していた。血の滴は床にしたたり、強制的に脳が酔い 始める。
    感覚を過信し過ぎるために真実を失うのは愚かであるから、私は真実を知りたかったが、体が言うことを聞かず、針は内部を進もう としない。
    私は声を上げて泣いていた。それはいつまで経っても答えが見つからないもどかしさからではなく、点が身体中にしびれを伝播させ ていたからであると思う。
    私は痛いよ、痛いよと言っていた。針を抜き、処置を行う。また、行いながら、痛みを知らずに痛いと言え、それが的確な表現であ ると無意識に思えてしまうじぶんと葛藤し、まるで、合わせ鏡のような限りのない連鎖に、再び脳が酔い始める。

    私は結局、たくさんの汚れを残したのみで、少しも痛みに近づくことは出来なかった。ただ、手のひらに残るしびれをどうにかした いとしか思えず、今はただ、真っ白な頭で、あの点の存在を反芻する。

    2010年04月27日 19:09 by

  • 小学校か中学校、その時くらい。私は近所のお姉さんと仲が良く、また可愛がってもらっていた。ある晩。公園で遊んでいた帰りにお 姉さんと会う。私は友達と別れを告げ、お姉さんと家路についた。
    私より五つ年上のお姉さんはその分、身長も高く、私より綺麗な笑顔を持っていた。お姉さんは自然に私の手を握りしめる。暖かい 感触が私の冷たい温度を奪い、私はすでに子供ではなかった。
    手が暖かい。それが私の全てだったのかもしれない。お姉さんはずっと私を年下としか見てくれず、この時以来私はそれがもどかし く感じるようになった。
    結局、お姉さんは私の中でお姉さんのまま、私の前からいなくなってしまった。

    手が暖かい、それだけで私はその人を好きになってしまう。そんな後遺症を残しながら、私は今日も自分の冷たい手にあの日の感触 を浸す。

    2010年04月24日 21:05 by

  • 耳から糸を垂らした若者は、思い通りに行かないことに満足する。
    彼らは無駄なことなど何一つ無いと胸を張り自負した。そして、それは正しい。ただ、若すぎる彼らはその根幹に全てが無駄だから と言う理由があるのを知らずにいる。


    若者は今日も耳から糸を垂らしている。

    2010年04月22日 12:05 by

  • 電気も付けずに、薄暗い雲の間隙を縫うダークな夕日に照らされて、EGO-WRAPPIN'を聞く。家族は嫌い、でも 仕送りはもらっている葛藤を、グラスに混ぜ、ミルクと一緒に飲み干す。
    体で聞くウッドベースの音色が私を癒しては、足りない頭で自虐する。
    わたし、もうぢき駄目になる。
    老いぼれた犬のように声を振り絞り、立ち上がる。グラスに水を注ぐ。満たされる水道水は私の一部となり、不毛な生活を育む糧へ と昇華する。いや、それすら、不毛だ。
    不毛な人間が、何をしたって不毛なんだ。
    ピカピカの窓に指紋をつける。にじむ景色。残る手垢。部屋のすみに積まれた本は何の意味もなしはしない。歪む意識。焦がれる開 花。
    暗膽とした空に泣きそうになる。駅は休まない。目の先を走る新幹線を見送り、私は駅のような人間になりたいとふと思った。
    人が通る。人が集まる。人を送る。人を迎える。
    全てが私には無縁だったことばかり。
    グラスに指紋を付けて、私は暗い暗い部屋で、天井の四隅を見つめる。
    今が夢であることを確かめるために、目をつぶるが、私はその術を知らない。気付くと、すっかり日は落ちていた。駅からの光が私 の暗闇に荒い穴を明けている。
    眠っていた事実と戻ってきた落胆を一緒に噛みしめ、流し終わっていたEGO-WRAPPIN'のアルバムを再びかけ て、小さく小さく舌打ちをした。
    誰にも聞こえない。誰も聞いてくれない。
    小さな舌打ちをした。

    2010年04月04日 01:03 by

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