リレー小説板【1】
ども、野崎yです。考案者ということでスレ立てしました~。説明、ルールは以下から。
◆ ◇ ◆ ◇
【ルール】
・ネタあり、シリアスあり
・一行からの書き込みが可能
・書く人の順番は自由
・板が6ページに達した時点で終了 ※書き込みが51に達した時点で
【禁止】
・連続投稿禁止
・18禁ネタ禁止
・分かりづらい専門用語禁止
◆ ◇ ◆ ◇
テーマ:夏
アツアツの旧食材であったゴミが、美しい放物線を描いて飛んでいく。お約束通りに突如現れた女性を放送規制に引っ掛かるゴミが 襲撃する。
「アッツ! な、何これ!?」
女性の顔面は勿論、髪や洋服まで被弾した。
俗に言う日常のホラーとはこの事か。
「喰らえ! 魔ンホールァア!!」
決意を込めた必殺の拳。
不自然に浮遊し、まるで空間を切り裂くかのごとく回転を続ける魔ンホール。男は、その悪行に我慢が出来なくなっていた。
――力に目覚めた今だからわかる。アレは、『悪』だ!!
「うおるぁぁあ!!」
必殺の拳。
しかし、どう頑張ってみたところで、それは軽挙妄動といって差し支えない攻撃方法であった。
ガン!
その衝撃によって、街中に、大きな音が響いた。
2010年08月19日 14:28 by 人鳥
男はガクリと膝をついた。
「真の勇者には程遠かったというわけか…」
諦めかけた、そのときだった。天の声とも呼べるような…いや、実際天の声なのだろう。それが頭の中をよぎる。
「勇者はレベルアップしてこそ、魔王に立ち向かえる力を得るんだ。チートサーセンな勇者は勇者じゃない。ただのチキン野ろ…チ キンに失礼か…。それに、独り言…。シャイで無口な勇者以外は、たいがい独り言が多い。状況説明に不可欠だと言っても、独り言に は変わらないだろう」
俄然やる気が起きてきた。もう迷うことはない。
「魔ンホールを倒し、経験値を得てレベルアップだ!あと、独り言はもう気にしない!ふはは…世界よ。待っててくれ。必ず、救っ てみせるからな!」
魔王もビビって逃げ出すような邪悪な笑みを浮かべて、男は次の魔ンホールを倒すべく、走った。
2010年08月16日 18:36 by 佐倉いろは
先程までの気力もどこへ消えたのか、俺の目から汗に近い物体が溜まっている。人はこれを涙目と呼ぶのだろう。
「もう、……どうしたらいいんだ! もんじゃ焼きは直視できないゴミに終わった。いや、そんなことより――」
周辺を見渡して現状を確認する。
一本道に浮く三枚のマンホール、その一枚を押さえ込みもんじゃ焼き(故)を焼く俺、ほかに人間はいない。
つまり、
「独り言が止まらねえっ!!」
そしてもう一つの誤算。
それは――
もんじゃ焼きは、ひっくり返さない!!
2010年08月15日 22:33 by 人鳥
しかし、こんなところで諦めるわけにはいかない。男は高速回転する熱されたマンホールを膝と肘で挟み込み、無理矢理のその動き を封じた。左手に持ったボールに入れておいたもんじゃ焼きの素材を手首だけを傾けて注ぎこむ。
「――よし!」
ある程度焼けたところで、これを裏返す。その裏返す瞬間を脳裏に思い描きながらそのときを待ちわびる。
だが、男は忘れていた。マンホールに凹凸があることを。
あっけにとられる、というのはこういうことを言うのだろう。男がそんなことを考えるほどに、ソレはおかしなことになっていた。
さっきまで浮いていたマンホールの蓋。いや、実際にはまだ浮いている。しかし、それは――
マンホールの蓋は、かなりの速度で回転していた。
「な・・・・・・なん・・・・・・だと・・・・・・」
これではもんじゃが作れないではないか。土手を作ろうとしたら、その瞬間から土手が同心円状に散布されてしまうではないか。
「く・・・・・・」
男はこの事態に頭を抱えた。
2010年08月10日 08:59 by 人鳥
全てが必然のように思えた。つまりは、
「この腕で以て、あの熱々の蓋でもんじゃ焼を作れ…ということだ!」
買ってあった材料を引っ掴んで、男は家を飛び出していた。
勇者は世界を救うもの。そう信じて疑わなかった。
2010年08月08日 12:28 by 佐倉いろは
溢れ出す興奮に俺の顔面は「笑い」を通り越して「歪み」の次元まで変化した。表情筋もかつてない活動量に悲鳴をあげている。
しかし、そんな些細なことなど眼中にない。
なにせ、これで念願の夢が実現可能になるのだ!
「やっと……、やっと。何度この場面を待ちわびたことか! 黄金の両腕さえあれば! やっとこれで……」
蒸し暑い周囲の空気を吸い込む。
「もんじゃ焼き界の救世主、真の勇者になれる」
何とも言えない鼓動が胸を中心に、身体を震わせる。自分が知っている自分では無くなる。赤が腕から身体へと侵食していく中、男 はそれに恐怖した。しかしその顔には喜びの表情が張り付いている。
「これで俺も真の勇者に……」
未だ侵食の届かない腕を握り締め、男は笑いをこぼした。
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