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サンタクロース・煙突・プレゼント(お題小説)

三つのお題、第四弾!!

今回は、季節を先取りした感じのお題です(笑)
あまり、考えないで、急遽決定……。

下の三つのお題を全て含んだお話を書いて下さい。

お題
・サンタクロース
・煙突
・プレゼント

このお題で、どんなお話が飛び出すのか、楽しみです♪

ルールはいつもと同じ感じで。
「煙突掃除」などでも、お題消化ってことで。


ではでは。

2007年11月29日 15:55  by もみじ

コメント一覧 28件中、21~28件表示

  • たろすけ(すけピン)さん
    すごい,全部入ってます!表現が素敵すぎます!
    逆にまっすぐに思えてきますよ。できればこれからもこういうのやってください。楽しみです^^

    2007年11月30日 22:20 by

  • 石瀬醒さん

    登場人物に味が出ていて良かったです。
    この長さで、すごい。

    「呪術的」というところが、密かに好きです(笑)

    2007年11月30日 18:36 by もみじ

  •  式が終わると、またダンボール箱を開ける作業が待っていた。
    僕が永久に続くとしか思えぬ苦行の手を止めないのは、すぐ横に嬉々として指揮を執る鬼軍曹が居るせいだ。
    真理子は、食器棚にガラス製品を、彼女にしか解らない呪術的な法則にしたがって並べながら、僕に言う。
    「またボーっとしてる。ナイフやフォークを大きさ別に仕分けるのがそんなに難しい?」
    「ん?いや、お義兄さんのことを考えてたんだよ」
    半ば本当、半ばボーっとしていたことへの言い訳。
    「結局、式には来てくれなかったな。サンタクロース島に海底煙突の調査に行ってるんだって?」
    「クリスマス島だから。…海底煙突ってのは、チムニーの事ね」
    「式の予定は随分前に伝えてあるのに、妹の結婚式に学術調査入れるかね」
    「仕方ないわよ、ああいう大掛かりな調査は、向こうのスタッフの都合もあるし」
    「お義兄さんはさ、俺みたいな普通の会社員に妹をやるのが嫌なんだよ」
    「そんなこと無いわよ。もう、新婚早々変なことで拗ねないで」
     玄関のチャイムが鳴った。
    まだ聞き慣れない音なので、一瞬、何事かと辺りを見回してしまう。
    郵便物。海外からの小包だった。
    中からペンギンをあしらった木製のネームプレートが出てきた。
    義兄からのプレゼントだ。
    「ねえ、クリスマス島にはペンギンが居るんだって」
    真理子が添えられた手紙を読みながら言う。
    「雄と雌が交代で、子供を足に挟んで育てるペンギンのように、中睦まじい家庭を作ってください、だって」
    これで誤解も解けたでしょ、と言わんばかりの微笑を僕に向ける。
    でも僕は、まだもう少し減らず口を叩きたい気分だった。
    「子供を足に挟むのは、南極に住む皇帝ペンギンだろ?オセアニアにいるペンギンは普通に穴居生活してるさ」
    真理子は、あきれた、と言うように目を丸くして見せた。まったく、表現力豊かな顔だ。
    「そういう話を兄とすればいいじゃない。もう、変なコンプレックスで兄を避けてるのはあなたの方じゃないの?」
    僕は肩をすぼめて食器の仕分けに戻った。

     ペンギンのネームプレートは、次の日から僕たちの部屋のドアに揺れている。

    2007年11月30日 12:11 by 石瀬醒

  • 石瀬醒さん
    すっかり出した気分でいました……。

    たろすけ(すけピン)さん
    無理矢理さに思わず笑ってしまいましたよ(笑)
    拍手!

    2007年11月30日 10:50 by もみじ

  • もみじさん、言及してなくても、登場してるからいい、というワザだと受け止めましたw。

    たろすけさん・・・
    すごいですねぇ!
    今後、3題作文が増えていっても、きっとやってくれるのでしょう(プレッシャーw)。
    『年老いたハムスターのように憔悴しきっていた』 とか『煙突型のキーホルダー』とか、永久保存版の表現だと思います!。

    2007年11月30日 08:58 by 石瀬醒

  • コンビニ近くの浜辺で、俺は嬉しくなった。


    仕事の帰りのことだ。いつも寒い思いをしながら相棒と夜を明かす。
    相棒はいつも文句のひとつも言わず、俺と仕事をしてくれている。その相棒に少しでも感謝をしたくて、二丁目の喫茶店で軽い軽 食をご馳走してあげた。
    「雨、上がったな」
    「そうだな」
    疲れからか、言葉少なに会話する。やはりこの歳での夜勤は、お互い体に障る。
    窓際のテーブルで朝焼けのグラデーションを楽しむ余裕もなく、年老いたハムスターのように俺と相棒は憔悴しきっていた。

    「あ、そうそう。メリークリスマス」
    相棒が、プレゼントの包みを俺に差し出した。
    「おいおい、よせよ。」
    「何言ってるんだよ。俺がここまでがんばれたのは、あんたが誘ってくれたからだ」
    「…いいのか?」
    「当たり前だろう!? 何を遠慮しているんだ。らしくないな」
    笑いながら相棒が促すので、俺は包みを開けた。中から煙突型のキーホルダーが出てきた。
    「すまんな。俺は何も用意していないのに」
    「気にすんなって。俺も世話になっているし」

    世間が目を覚ます前に、俺たちは帰ることにした。
    空高く舞い上がる。まっすぐ北を目指して。海に近づくと、突然に相棒が叫んだ。

    「お、おい! アレ、見ろよ!!」

    俺が相棒の視線の先を見ると、砂浜に迷路のような模様がスコップで書かれていた。

    『サンタさん、ありがとう』

    「ははは。粋なことするやつもいるもんだな。相棒」
    「全くだな。夜は暗すぎてわからなかったけど、あの雨でよく消えなかったな」

    さて、来年もたくさんのプレゼントを用意するか。俺も相棒も、そう思わずにはいられないプレゼントを最後にもらった。


    あることを意識して作りました。バレバレでしょうけど。笑

    2007年11月29日 22:29 by たろすけ(すけピン)

  • だめだ……早速、サンタクロース入れるの忘れた(汗)
    幸先、悪い……。

    2007年11月29日 18:59 by もみじ

  • プレゼントは煙突だった。


    彼とは深夜のコンビニで出会った。
    彼はお弁当コーナーで商品を食い入るように見つめていた。
    鮭おにぎりを手に取っていたかと思うと、それを戻して、今度は幕の内弁当を手に取ったりしていた。
    しばらくそんなことを繰り返したあと、彼は大きなため息を一つつき、コンビニを出て行ってしまった。

    私は彼のことが気になった。
    飲み物を選んでいる振りをしながら、ずっと彼の挙動を観察していた。
    だから、彼がコンビニを出ると、私は迷わず彼の後を追った。

    彼は近くの公園でベンチに腰掛け、夜空を見上げていた。
    彼の口からは白い息が吐き出されては消え、吐き出されては消え、その様子はまるで煙突のようだった。
    私は彼に話しかけた。

    お金がないんです、彼は弱々しく笑った。
    私は自分の家に強引に彼を招待し、鍋に残っていたカレーライスを振舞った。
    今思えば、私は彼のひげに惹かれたのだと思う。
    真っ白で、たっぷりとたくわえられた、そのひげに。

    彼の家の立派な煙突。
    クリスマスの日、その煙突を私にプレゼントする、と彼は言った。
    僕が持っていても、仕方がないから、と。


    彼の仕事は一年に一日しかなくて、だからその日の前になるととても貧乏で、大切な大切なその日の翌朝に、彼が満ち足りた笑顔 で私の煙突から家に帰ってくるのを、私は毎年、ひどく楽しみにしているのだ。

    2007年11月29日 18:47 by もみじ

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