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春の3つのお題

定番ものを。
季節を先取りネタに、少し彩りを添えて。

・校門
・桜
・老婆
・共食い

のうちからどれか3つを使用してください。
例によって意味するところが同じなら言い換え語でも可。
ガンガン書き散らしましょー!

2008年02月19日 11:28  by 石瀬醒

コメント一覧 21件中、11~20件表示

  •  そこでねこがさん、拙作の感想で、特に気を遣った部分を評価していただき、単純に嬉しかったです。
    ホラー風味のロマンス物とも読めるようになってしまったかもしれませんが、作者の意図するところはホラーですw。
    この後佐藤は食われて桜の下に埋められるんだと思います。

     ねこがさんの2作目は、漢字の使い方や語りの柔らかさが僕好みのじっくりとした綺譚掌編…だと思ったのですよ…
    ねこがさん!あなたって人は…
    脳や脊髄を食べたらプリオン感染リスクが高いじゃないですか!
    クールーになりますよ!

    粥と「かゆ」、膨れてと「ふくれて」、変換できるなら何でも漢字にするのではなく、演出したい文の硬さやわらかさにあわせて 選択することって、大切ですよね。
    僕も、常用外かもしれませんが、人の見せる表情を表したいときの「カオ」は、「彼の隠れた貌を見た思いがした」なんて当てて います。

    2008年02月21日 10:12 by 石瀬醒

  • ぬこさんの名前は私も気になっていたところで……。
    というか、やっぱり皆さん目に留めてたんですね(笑)


    ★そこでねこがさん

    ひとつめ……「そのときチャイムの音をスイッチにして」の一文で笑ってしまいました。ラストは、なるほどそういう風に挟まっ たんですね、みたいな(笑)

    ふたつめ……オチがかなり、そこでねこがさんらしいと思いました(笑) しかし、おばあさんはどうやって、人を狩ったのでし ょう? 「キエーーッ」みたいな奇声を発しながら高速移動している姿が脳裏に浮かんだり(笑)


    ★石瀬醒さん

    「ハムスター」でいっきに昔のお題小説を思い出してしまいました……。あの、悶え死ぬやつです。いや、関係ないのですが(笑 )
    分かってても吸い寄せられてしまう「僕」が、悲しいですね。君島さんの「好きな人」の「好き」は、「好きな果物」の「好き」 と同じ感じなのでしょうか。読み終わって、彼女の底に流れるどうしようもない冷たさに、あてられた感じ。

    2008年02月21日 00:21 by もみじ

  • 僕も副管理人さんの名前の変遷を楽しみにしている一人です(100万回のステップを踏むが特に好きでした)。
    と思ったらタイプしている間にも変わってるし!

    ○もみじさん
    なんていうか、人っていろんな罪障背負ってるなと思いました。
    キレイな体なんて難しいと。
    個人的には、桜の下からひたすら共食いだよとささやき続ける老婆には萌え要素があります。

    ○石瀬醒さん
    前半は甘酸っぱい青春ぽくて君島さんにおおぅっと萌えましたが、後半のエロティックなさとみちゃんもイイですね!
    そして芝居がすごくうまいです。
    数え上げたらキリがないですが、「コートの袖口についた糸屑を払っていたが、目だけを僕に向けて」とか「芝を踏んで駆け下り る」とか「自然の成り行きで彼女の手を掴んで止めた」とか「体がぶつかるほど近くに一歩踏み出して」とか。
    感情はもとより運動神経にまでシンクロできます。

    2008年02月20日 21:24 by そこでねこが

  • その2

    だけどその帰り道、僕は重大な点に気がついたのです。
    かゆに入っていたあの肉は何の肉だったのだろうか、と。
    あれは馬肉でなければ、鶏肉のように慣れ親しんだものなんかでもありませんでした。
    犬も猟銃も持ってないおばあさんが熊や猪を捕るとも思えません。

    「わしは共食いが好きでなぁ。」

    いまさらながらおばあさんのあの一言が思い浮かびました。
    さびれた村はそういえば朝になっても人っ子一人見当たりませんでした。
    それにあの家には古民家にはおよそ不釣合いな、業務用の巨大な冷蔵庫がありました(なぜ今まで僕はそれを疑問に思わなかった のだろう?!)。
    まさかその中に村人達が?
    そして「彼ら」が僕への夕食として差し出されたのか?

    全ての点が線につながったとき、僕の中には猛然とした怒りがこみ上がってきました。
    「あのばばぁっ、俺に人の肉を食わせたのか?!
    よりによって人肉だと??!!!
    人の体でおいしいのは脳みそと脊髄と睾丸の3箇所だろう!!
    客に差し出すのは普通そういう部分だろうがぁ!!
    なのに俺にはスジばかりでまずい肉の部分を食わせやがったな!!
    くそ、あのばばぁめっ、なんて強欲なんだ!!!」

    ひとしきり怒った後、我に返った僕はおばあさんのあの言葉をもう一度思い出してつぶやきました。
    「睾丸は僕が食べなきゃ共食いにならないでしょうに。」

    2008年02月20日 21:22 by そこでねこが

  • その1

    僕はその日庚申塔の調査で信州の山中を歩いていたのですが、道に迷ってしまい、方々して日暮れ前さびれた村にたどり着きまし た。
    そこは山の中の里とは思えないほど緑が少なく、土地は荒れ果ててひび割れていました。
    宿なんてないだろうなとあきらめていたところ、道端で一人の老婆が僕に話しかけてくれ、親切にも彼女の家に泊めてくれること になりました。

    老婆は立派な牧を営んでいて、そこにはたくさんの馬が放牧されていました。
    案内された家は茅が葺かれていて、土間と板間に別れているまさしく古民家と呼べるものであり、むしろ僕の知的好奇心を満足さ せてくれました。
    老婆はさっそく囲炉裏で肉と山菜の入ったかゆを作ってくれました。
    仙界のように暖かい湯気を放つかゆは僕の舌と腹にやさしく染み渡りました。

    お腹もふくれて落ち着くと、僕は老婆と世間話をしました。
    「そういえば上代からこの地方は馬の産地でしたが、おばあさんもたくさん馬を飼われていますね。でもここであれだけの馬を育 てるには飼い葉を集めるのが大変じゃないですか?」
    するとおばあさんは答えてくれました。
    「なぁに、すぐに調達できるよ。なんせ馬にはサクラ肉を食べさせてるからねぇ。」
    サクラ肉!
    つまりおばあさんは馬たちに馬の肉を食べさせているのでした。
    草食動物に肉を食べさせていい馬ができるのだろうかという疑問は、続けざまにおばあさんがつぶやいた一言でかき消えました。

    「わしは共食いが好きでなぁ。」

    怖くなった僕はもうこの話をする気にはなれず、そのあとすぐに湯と布団を借り、翌朝には早々とおばあさんの家を後にしました 。

    2008年02月20日 21:20 by そこでねこが



  • 「そうなんだ。さとみ…ちゃんが優しくしてるからなんだろうね」
    思い出話をしていると、幼馴染の距離感に戻っているような気がしてきた。
    「一緒に飼ってたオスのポンタも元気?」
    「ポンちゃんはとっくに死んじゃった」
    「ああ、そうなんだ」
    「ハムスターってほら、共食いするじゃない?
    カミちゃんがね、みんな噛み殺しちゃうの」
    「マジ?怖えーなぁ、カミちゃん」
    「そんなことないよ、人間には、あたし以外噛み付いたこと無いもん」
    「それでも…仲間を噛み殺して、自分だけは何時までも若いなんて…
    なんか、吸血鬼みたいだよね」
    「やだ。カミちゃんは日光浴びても平気よ」
    「まあ、冗談だけどさ。
    でも、吸血鬼って、人間以外でも成立するよな」
    「どういうこと?」
    「だって、狼男なんかは、まず狼には無理じゃない?」
    「狼狼になっちゃうもんね」
    「フツーだよ、それじゃ。
    でも、吸血鬼は、どんな種族でもそれぞれ同種の血を吸うのが居ておかしくない」
    「そういえばね、カミちゃんは好きな子しか噛み殺さないのよ」
    「へえ?」
    「何か、吸血鬼っぽくない?好きな人の血を吸いたいなんて」
    「わかんないよ」
    「好きな人」なんて言葉を悪戯っぽい表情で言われて、訳も無く僕はにやけてしまった。
    「でも、もしカミーラが吸血鬼だったら、あたしも吸血鬼かもよ?噛まれてるんだもん」
    「異種間でも吸血鬼ウイルスが感染するのならね」
    「しないかな」
    「さあ。そもそも吸血鬼がウイルス性のものかどうかから調べなきゃ」
    話をするうち、いつの間にか僕らは川沿いの、土手の上の道を歩いていた。
    彼女が楽しそうに川原へと、芝を踏んで駆け下りる。
    僕も子供に戻ったような気分でそれを追いかけた。
    自然の成り行きで彼女の手を掴んで止めた時には、二人とも息が切れていた。
    「ねえ、今日はなんで僕を呼んだの?」
    彼女はまっすぐ僕を見詰めたまま、息が整うまで無言でいた。
    そして、体がぶつかるほど近くに一歩踏み出して、僕の顔を見上げて言った。
    「佐藤君を食べたいからじゃ、だめ?」
    彼女の体から甘い香りが立ち上っていた。
    僕は、薄く開いた赤い唇に吸い寄せられるように、接吻けた。

    2008年02月20日 18:05 by 石瀬醒

  • 1

     綻びはじめた桜の下で、僕は待った。
    3年ぶりに見た、母校の校門。
    「佐藤、君?」
    突然後ろから呼びかけられて、僕はびっくりする。
    君島さとみさん。
    3年振りに会った彼女は、ますます綺麗になっていた。
    セーターにハーフコート、ジーンズと、お嬢さんらしい格好にもかかわらず、どこかしら妖艶な雰囲気が漂っているように思えた 。
    気圧された僕が、何も言えずに彼女の顔を見詰めていると、
    「佐藤君、なんか、かっこよくなったね」
    と、社交辞令を先に言われてしまった。
    「君島さんこそ、き、綺麗だよ」
    何のひねりも無く誉め返すなんて、我ながら子供っぽくて嫌になる。しかも、少し噛んでしまった。
    「あれ?智久は?」
    「ああ、高橋君?」
    「一緒じゃなかったの?松崎も…」
    彼女はコートの袖口についた糸屑を払っていたが、目だけを僕に向けて、
    「来ないの。口実に使っちゃった」
    と言った。
    「だって、二人だけで会おうって言ったら、なんか、デートみたいじゃない」
    少し甘えるような、拗ねたような口調で言う。
    僕は背中が強張ったようになって、ただただ頬が赤らむのを抑える努力をしていた。
    「ほんと、春休みこっち帰ってきてくれてて良かったァ」
    「たまたまさ、じいさんの三回忌だったんだよ。
    なんか、願わくは 花の下にて 春死なん、って、西行法師みたいなこと言ってて、本当にその通りになっちゃってさ。まあ、春 休み中で丁度いいって言うか」
    「佐藤君もそんなこと思う?」
    「え」
    「死ぬなら、桜の花の咲く下がいいとか」
    「んー。そりゃあ、そんな中で死ねたらいいなとは思うけど」
    「良かった」
    「え?」
    「そうかぁ。あのおじいちゃん、死んじゃったんだー。あたしも何度か会ったことあったよね」
    「まあ、もういい齢だったし。
    そういえば、君島さんは昔ハムスター大事にしてたよね」
    僕は、「死ぬもの」からの連想で「ハムスター」と言ってしまった。
    「さとみでいいよ。
    カミーラ、噛み癖があるからカミーラ。
    今も飼ってるよ」
    「へー、何代目?」
    「あのカミーラよ」
    「へー!ハムスターって寿命2年くらいじゃなかったっけ?」
    「カミーラは特別なの」
    「じゃあ、もうすっかりお婆さんだよね」
    「そんなことないよ、毛並みもツヤツヤだもん」

    2008年02月20日 18:04 by 石瀬醒

  •  コーモンて・・・
     共食いて・・・
    しかも「これが本当の」て!
    突き抜けた疾走感が台無しなラストに愕然です!

    さすがとしか言いようが無いがさすがと言いたくない桜の使い方といい、
    うまいとしか言いようが無いが(中略)名作だと思いますw。

    2008年02月20日 13:12 by 石瀬醒

  • 新学期、いや新学年早々俺は走っていた。
    中2になっても相変わらず二度寝する癖は直らない。
    顧問の先生にも厳しく言われているので、もう遅刻するわけにはいかないのに。

    俺は空っぽの腹とカバンを押さえながら必死に走った。
    一人、また一人と生徒が俺と合流しては学校に向かって走っている。
    こいつらも俺と同じ穴のムジナなのだ。
    やがて生徒達の声がさわさわと聞こえ始めてきた。
    学校は近い、まだチャイムが鳴ってないことを祈るばかりだ。

    校門が見えてきた。
    門はまだ開いている、間に合った!!
    しかしその安堵感を突き落とすかのように校門に立っていたのは、江船先生だった。
    あのくそばばあの遅刻判定にオマケはないことで有名だ。
    時間内に校内に入るか入らないか、それだけだ。

    少々距離はあるが、俺はラストスパートをかけた。
    野球部で鍛えた足がみるみる俺を校門へ近づけていく。
    だがばばあは腕時計に目をやると門に手をかけた。
    閉める準備を始めやがった!!
    もう時間は10秒とないはず。
    俺はだれにタックルすることも気にせず全速力で正面突破することにした。
    校門まであと10メートル、5メートル、3メートル!!

    そのときチャイムの音をスイッチとして、ばばあの腕に爆発的な筋力が宿り、門が勢いよく閉まり始めた!
    タイムリミットだ!
    だが俺はあきらめない!!
    ラスト1メートル、俺は体を横にして滑り込むようにジャンプした!
    矢のように飛ぶ俺!
    津波のように押し寄せる門!
    最後の勝負!!

    ガッシャーーーン!!

    門は閉まった。
    チャイムが朝の始まりを穏やかに告げていた。
    校門の前には遅刻が確定した生徒が幾人か息を切らせていた。
    そして俺はというと半分セーフで半分遅刻だった。
    なぜなら門は俺のケツにはさまったからだ。
    前はかばんがあったので大丈夫だったが後ろは見事に突き刺さっていて、あとで確認したところ桜色にはれていた。
    まさかこんな若い身空で校門にさされるとは・・・、これが本当の共食いってやつか。



    * * *
    昔女子中学生校門圧死事件てのがあって、それを思い出しながら書きました(なんでこんな話に?!)。
    ちなみにアニメ映画『耳をすませば』の校門はそれと同形のものだそうです。

    2008年02月20日 11:01 by そこでねこが

  •  もみじさん早い!
    思いを形にする速さも力ですよね。
    なんか、夢枕獏な感触。
    この娘には異形のものの血が流れてたりしないんですか?

    やがて、学園を支配しようとする謎の転校生との間に、血みどろの戦いが繰り広げられたり・・・

    この老婆が、全ての鍵を握る「草木の剣」の番人だったり・・・

    主人公は香椎由宇で・・・

    2008年02月20日 10:33 by 石瀬醒

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