遊水池
あるテーマで作品を書いて、トピックに書き込んだ。
また思い浮かんだので、トピックに書き込んだ。
また思いついた。
マズくない?
俺トピックの流れ悪くしてない?
他の人書き込みにくくなってない?
と言う人のための遊水地です。
溢れ出るナニカをここに吐き出してください!
2008年02月22日 11:35 by 石瀬醒
始め終わり指定作文
近所のコンビニで、彼女と偶然会った。
彼女は随分薄汚れていて、身を乗り出してゴミ箱を漁っていた。
「ねえ」
僕が声を掛けると、彼女はビクッ、と背中を強張らせ、それからゆっくり振り向いた。
「あら、久しぶり」
体中についた傷が目立たない角度を探して身を捩る。
「あいつ、君に暴力振るうのかい」
「そんなことない、優しいよ」
「なあ、一緒に逃げようよ、あんなのと居たらダメだ」
彼女は視線を地面にさ迷わせている。
まるで、何処かに僕への反論が落ちているとでも言うように。
うなり声が聞こえた。
地面ごと震わせるような低いうなり。
奴だ。
僕は振り返った。
駐車場の塀の上に奴が居た。
犬のような大きな体、無数の傷の間から鋭く睨む細い眼。
僕の体中が震えた。
怖かった。
でも、もう僕は逃げない。
僕は、ありったけの声で叫び返した。
食いちぎられた耳から止め処なく血が流れ、顎を伝って地に落ちた。
辛うじて開く方の目で辺りを見渡す。
もう誰も居なかった。
まだ僕は弱い。僕の爪は奴の皮を破れない。
でもきっと、いつかきっと奴から彼女を救い出す。
僕は、奴の黒い縞に比べてひ弱に見える自分の白い毛並みにこびり付いた血を、ゆっくりと舐めとり続けた。
涙があふれた。
2008年02月29日 18:05 by 石瀬醒
その2
●「ああ、お嬢さん、弱気になってはだめだ。」
●「合コンへ行こう。」
●「尻軽やなー。」
●「100対100くらいの人数で。」
●「多すぎるわーい。」
●「もしくは100対1.」
●「そりゃ濡れ手に粟ー。」
●「おじさん、あたしにはどうしても告白できない理由があるのよっ。」
●「再び事情が変わった。続けて。」
●「彼はあたしのことが嫌いに決まってる。だって勇気を出して何度か声をかけてみたけど、いつ も無視されるんだもの。」
●「それはかわいそうに。」
●「きっと彼には幽霊が見えないのよ。」
●「地縛霊だったんかーい。」
●「あたし、校門の前の、マンホールのフタの取っ手の部分にとりついているの。」
●「えらい局所的やなー。」
●「たとえ彼にあたしの姿が見えたとしても、彼の方からこのマンホールに来てくれないことには 。」
●「そうか、地縛霊だからここを離れられないのか。」
●「ううん、面倒くさいだけ。」
●「がんばれやー。」
●「告白すれば成仏できるんだけど、さくら大福を食べても成仏できるわ。」
●「それ食えやー。」
●「彼の家は製塩業をやっているの。」
●「お前の天敵やんけー。」
●「地獄ってどんな所かしら。」
●「生前何をしたー。」
●「彼と一緒に行きたいな。」
●「巻き込むなー。」
●「貯まったマイルで。」
●「使えるかーい。」
●「なら自転車で。」
●「どんな距離やねーん。」
●「彼と二人でならどんな地獄だって――。」
●「Oh!」
●●「Paradise!」
●「Ha!Ha!Ha!Ha!Ha!Ha!」
●「逆に聞こう。何を期待して読んでいる?」
2008年02月25日 00:50 by そこでねこが
その1
「春のお題」(校門・桜・老婆・共食い)のものです。
髭男爵がわかる人だけ(笑)
●「ルネッサ〜ンス!」
●「貴族のお漫才、恋に悩む少女を優しく元気付けてあーげるっ、の巻き。」
●「ああ、あの少女、いつも校門の前でもじもじとたたずんでいる。きっとラブレターを渡したいのに最後の一歩が踏み出せない に違いない。老婆心になるがこの私がなんとかしてあげなければ。」
●「ちょっとそこのお嬢さん。」
●「あ、おじさんっ、5万円でどうっ?」
●「ウリだったんかーい。」
●「Ha!Ha!Ha!Ha!Ha!Ha!」
●「困るよ、ひぐちくん。ここは奥ゆかしく頼むよ。」
●「あたしここである人を待ってるの。」
●「なるほど、でも昨日も一昨日も待ってたよね?」
●「ええ、なかなか来ないの、ゴドーは。」
●「サミュエル・ベケットかーい。」
●「おじさんもゴドーの出待ち?」
●「んなわけあるかー。」
●「ならキレかわいいあたしのファンね。」
●「自分で言うなー。」
●「ひぐちくん、『ゴドーを待ちながら』はそんな話ではないだろう。冷やかしなら早くおうちに帰りたまえ。」
●「あたし、ここで好きな男の人を待ってるの。」
●「事情が変わった。続けて。」
●「でも遠くから見つめるだけで告白ができないの。」
●「おお、そうか。で、彼はどんな人なんだね?」
●「彼は涼しげな目をしているわ。」
●「ほうほう。」
●「そして目が切れ長で。」
●「ほうほう。」
●「笑うと目を細めるの。」
●「目しか覚えてないんかーい。」
●「でもこんなあたしじゃフラれるに決まってる。それならいっそ。」
2008年02月25日 00:48 by そこでねこが
>もったいないですねぇ…
ばかばかしい話なのでここの方がいいと思いましたし、遊水池を演出として組み込めると気付いたとき、ここしかないなと思いま した(笑)。
これは漫画『うる星やつら』の感じを少しイメージして書いたんですが、作者の高橋留美子は筒井康隆に影響を受けているので、 石瀬醒さんの指摘は鋭いと思いました。
そして僕は筒井康隆を読んだことがありません(笑)。
でも『宇宙衛星博覧会』ってわくわくするタイトルですね。
気になる。
2008年02月25日 00:27 by そこでねこが
消化できてないですか、そうですか(笑)
全盛期(脱走と追跡のサンバあたり)の筒井康隆を久々に読んだ気がしました。
(筒井は「宇宙衛星博覧会」が全盛期と言う見方も捨てがたいですが)
もう二度と食べられない「消化できない」ネタをここに吐いてしまうとは、もったいないですねぇ…
2008年02月24日 20:15 by 石瀬醒
「春のお題」(校門・桜・老婆・共食い)のものです。
今日この日をもって三重村英二は38年間勤めた会社を去る。
円満な定年退職である。
大小さまざまな企業が吸収合併という共食いを繰り返す昨今を思うと、三重村のサラリーマン生活はいたって穏やかなものであっ た。
もちろん人並みにいろいろと大変な思いはしてきたが、それでも仕事をこうしてまっとうできたのは彼がとても勤勉だったという ことだ。
午後5時、最後の仕事も終わり長年付き合ってくれた事務机と椅子に別れを告げると、三重村はガード下のおでんの屋台へと向か った。
妻から、夕飯はごちそうだから早く帰ってきてねとは言われていたが、最後にもう1回ここのおばあさんのおでんを食べたいと思 ったのだ。
彼が屋台のベンチに座ると、おばあさんは何も言わずに次々と具をよそい始めた。
三重村は新入社員になった頃から呑んだ帰りにはここに来ていたので、おばあさんは彼の好みを知っていたしそして今日がどんな 日かもわかっていたのだ。
目の前に差し出されたお皿に目を移すと、そこには大根、がんもどきとつみれ、それに校門が忙しそうに湯気を立てていた。
どれも彼の大好物であった。
彼はまず校門を、大根からしみ出てきただし汁によくつけながら食べた。
煮てもなお黒く光る校門は口の中でガリッという鈍い音を立て、瞬く間に金属とサビの味を放った。
まだ熱々だったが、彼は一息に飲み込んで少しむせてしまった。
その後はつみれ、大根、がんもどきへとはしを進めていった。
時間にしてほんの10分ほどだったが、とても重要なひと時を過ごすことができたと彼には思えた。
夜の桜が舞う中を三重村は歩く。
おでんで温まった息は視界をさえぎるほど白い。
だが彼はワイシャツ越しの腹に重いものを感じていた。
退社するさびしさがあるのかもしれないが、この苦しさは決してそれだけでないことは彼にもわかっていた。
左手で腹をさすりながら彼はつぶやいた。
「…校門は消化できてないよなぁ。」
三重村はとたんに家に帰りづらい気持ちになった。
―ーとっとと吐いてしまおう。
そう思い直した三重村は遊水池へと方向を変えた。
2008年02月23日 21:19 by そこでねこが
ブログに書くと、確定ネタと判断されそうなので、ここはいいフインキです。
石瀬醒さん、了解です(笑)。
ネタのメタボ対策ありがとうございます。
喫煙BOXならコドモがいないから存分にくゆらせますね(もちろん警告は出しますが)。
さて、春のお題のネタは今頭の中で4つできてます・・・。
2008年02月22日 23:57 by そこでねこが
おそらくそこでねこがさんと僕しか使わないトピックです。(笑)
様々な理由で本線には投下できないと考えられた作品はここに落としていきましょう。
まあ、喫煙BOXみたいなもんです。
2008年02月22日 11:40 by 石瀬醒
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