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物語書いてる方、書きたい方、入っちゃってください

トピック詳細

第一弾のリレー小説ですよ

援護者・・・恋人達の逆位置 気が変わりやすい。目移り。非協力的な態度。いい加減。波乱。気まぐれ。

敵対者・・・つるされた男の正位置 試練のとき。身動きできない。中途半端な立場。困難。

過去・・・死の正位置 失敗。突然の変化。過去を捨てる。苦境。破壊。行き止まり。手遅れとなる。

というしがらみのもと

お話をくりひろげます


『石瀬醒様』→『 四方飛妖様』→『銀様』→『私、ウィスペル』→『葉様』→『 いき♂様』

の順番ですっっ

皆さん頑張りましょうっっ

2008年02月28日 22:25  by ウィスペル

コメント一覧 48件中、1~10件表示

  • 48
    その夜。
    チッチッチッチッチ・・・。
    刻々と時を刻む時計を見つめる。
    後5秒。
    奴等はどうなったのか?
    4。
    今は雲の上。
    3。
    ここからじゃ知ることは出来ない。
    2。
    他人などどうでも良いと言えばどうでも良い。
    1。
    「タイムリミット・・・。さよなら化け猫、そして走狼」
    ピッ。
    ケータイのコードを入力する。
    はるか上空の航空機の中から、契約を終わらせる信号が発せられた。
    「ハ、ヒヒ、ハハハハハ、フハハハハハ」
    隣の乗客が不審そうな顔をするが、笑いを堪えることが出来ない。
    「ふう・・・」
    ようやく、ようやく、笑い声を抑えることが出来た。
    機内の電話を借り、ダイヤルする。
    「もしもし。・・・ええ。目標の回収をお願いします」
    連絡を入れ、一度電話を切り、今度はケータイを取り出していつもの番号にダイヤルする。
    「さて・・・。ああ、もしもし、ヤタです。タイムリミットです。化け猫の死亡の確認をお願いします。では」
    再び、電話を切り、座席に戻った。
    頭から毛布を被る。着陸まで、しばし眠ることにした。
    「今日は、良い夢が見られそうだ」
    遠くの街では、倒壊した建物の残骸が未だに煙を上げていた・・・。

    2008年04月24日 18:16 by 銀姫翠

  • 47
    「先生、出るぞ。支度しろ」
    ようやく病室に戻ってきたと思ったら、第一声はそれだった。
    しかも、血みどろの二人を担いで帰ってきた。
    「おいっ!」
    「走狼は死んでる。フェンが撃った。フェンならまだ生きてる。だから連れてきた」
    「なんてこと・・・」
    「殺らなきゃ俺が殺られるんだ。仕方ない。それより、早くベッドからどいて支度しろ」
    「・・・」
    真木をベッドから追い払うと、化け猫はそこにフェンを寝かせ、そして、シーツを裂いて止血し始めた。
    処置としては適切な施しだったので、真木に手出しはできず、仕方なく身支度を調える。
    「こっちは終わった。行くぞ、先生」
    「ああ。もともと、こっちも荷物は無い」
    そう言って、残りの食料等を入れ直したビニールを掲げて見せた。
    「置いていくのか?」
    「連れては行けない。そのうち連中が迎えに来るだろう」
    「わかった・・・。元気になれよ」
    真木はフェンにそれだけ言って、化け猫に続いた。
    目の前の男が、今までとは何か違う生き物に見えた。

    2008年04月24日 18:15 by 銀姫翠

  • 46
    「走狼っ!」
    走狼は・・・死んでいた。
    心臓を撃ち抜かれ、カカシの様に、部屋の中央に、椅子にくくりつけられて・・・。
    「そんな・・・・・・」
    思わず、化け猫と戦っている最中だということを忘れそうになった時だった。奥の部屋で、何か物音がした。
    「化け猫ーっ!!」
    パン、パン、パン、パン、パンッ!
    確認などとっていられない。二丁のM92Fを抜いて、続けざまに音源を撃ち抜いた。
    視界の中で古びたテーブルや椅子が砕け散り、脆くなったコンクリートの壁がはがれ落ちる。
    だが・・・。
    パシュ、パシュッ!
    無情にも別の音が、背後から聞こえて、そのまま床に落ちた。
    「うっ!」
    殺気なんて感じなかった。気配すら無かった。だが、化け猫は部屋の入り口の天井に張り付いていたのだ。
    「降伏するか?」
    もう足は動かない。動きを封じる最良の方法、アキレス腱を撃ち抜かれたのだ。
    「誰がっ!」
    それでも、化け猫は生かしておくわけにはいかない。
    声の方へ振り返り様に連射する。
    だが、撃ち抜いたのはICレコーダーだった。
    パシュ、パシュッ!
    再び悪夢の音がして、手を撃ち抜かれ、銃が弾け飛んだ。
    「死ねっ!」
    だが、まだ諦められない。何とか、射撃ポイントにナイフを投げ返す。
    「良い動きだ。だがな、お前は戦い、こと接近戦にはむいていない」
    「そんなこっ」
    頬から血を流した化け猫が、ゆっくりと近付いてくる。
    だが、足は使えず、銃は無い。ナイフも既に投擲してしまった。
    「突入するのが遅すぎたな。十二分に罠を張って待っていたんだ。もっとも、半分程しか使わなかったが」
    フェンの顔から1メートル程の距離で、化け猫が止まった。
    「もう一度聞こう・・・。降伏するか?」
    「嫌だ!誰がお前なんかに!必ず仇をとってやるっ!」
    「解っていると思うが、走狼を殺したのはお前だ」
    「五月蠅いっ!」
    「残念だ」
    「うっ・・・」
    最期に、化け猫の靴の底が見え、辺りが真っ暗になった。

    2008年04月24日 18:15 by 銀姫翠

  • 45
    「来たっ!」
    今まで何も入って来なかった狙撃ポイントの窓枠に、人影が飛び込んできた。
    後ろ姿しか見えないが、あの服は走狼のものではなく、化け猫のものだ。
    「テッ!」
    引き金を引くと、空になった薬莢が勢いよく飛び出し、強い反動で身体が浮きそうになる。
    だが、これが楽しくもあるのだ。
    手応えはあった。
    だが・・・
    「あ・・・ぇ・・・・・・?」
    心臓を撃ち抜かれてくるくると回って倒れたのは走狼だった。
    「何でっ!何でよっ!もうっ!!」
    ライフルを投げだし、走狼のいるビルへ駆けだした。

    2008年04月24日 18:15 by 銀姫翠

  • 44
    「むむむっ、焦れったいなーっ」
    屋上から、走狼らの戦う部屋を注視しているフェンは、内心焦っていた。
    何しろ、窓からは一向に何も見えないのだ。これじゃ援護にならない。
    「しっかりやってよっ、走狼」
    スコープを除きながら呟いた。

    一方、その走狼はというと、血塗れで気絶していた。
    「しかし、まぁ、よくもこう上手くいったもんだ」
    仕掛けた化け猫自身、その出来に驚くくらいに、走狼はストレートに落ちた。
    最期に走狼が見たワイヤーは、アルコールを使った手製の爆破装置に繋がっていた。
    そして、それが爆発と共にガラス片を飛散させ、結果、走狼の腹部と足をずたずたに引き裂いたのだ。
    だが、キズを追った程度で走狼が死ぬなどと甘い期待を抱く化け猫ではない。
    動きの鈍った走狼の後頭部を蹴り上げ、最期の意識を刈り取った。
    「さて・・・」
    化け猫はジャケットを脱ぐと、走狼に着せ、そして、窓の方へ寝かせた。
    「最期だな」
    部屋の隅に置いたバケツを、一気に走狼の顔にかけた。
    「オイッ、起きろ!もう終わりかっ?」
    「・・・っつ・・・」
    冷水に意識を戻されて、走狼が目を開ける。
    その目に映ったのは、ニューナンブを構えた化け猫だった。
    「チッ!」
    急いで周囲を見渡し、窓の方にニューナンブが落ちているのに気付く。
    (この距離なら行けるか・・・?)
    そして、走狼はそれに飛びつき・・・。
    ダーンッ!
    一発の銃声が街に響いた。

    2008年04月24日 18:14 by 銀姫翠

  • 43
    ダンッ。
    戸を破って部屋に入ると、化け猫は左手に銃、右手にナイフを持って、正面に立っていた。
    パン、パン、パン、パンッ!
    化け猫は立て続けに4発撃った。
    もちろん、走狼はそれらを全て切り伏せる。
    「やはり良い動きだな、小僧!」
    良いながら、化け猫は銃を窓の方へ放り、楽しそうに笑いながら走狼の方へ突進してきた。
    「当たり前だっ!」
    カンカンカン、キン・・・。
    今日は昨日と構図が入れ替わり、化け猫が斬りかかるのを走狼が受け流す。
    カン、キンキン、カン・・・、ギィーン!
    何回か激しく打ち合った時だった。
    不意に、化け猫の手からナイフが弾き飛ばされた。
    「疾!ここで散れっ!!」
    それを好機ととばかりに、走狼が刀を振り下ろす。
    だが・・・。
    「何っ!?」
    化け猫はそれを掴み取った。真剣白羽取りだ。そして、ニッと笑うと・・・。
    「ナ・・・!!」
    バキッという鈍い音を立て、走狼の刃をへし折った。
    「ハッ!」
    さらに、走狼が動揺した一瞬の隙をついて、その腹に強烈なブローを叩き込んだ。
    「ぐハッ!」
    宙を舞う走狼の目に、鈍く光る線が移った。
    (ワイヤー・・・マズッ・・・)
    ピンッ。
    何かが弾け抜ける音がし、耳が聞こえなくなった。
    次いで、鋭い殺気を感じたが、そのまま意識が吹き飛んだ。

    2008年04月24日 18:14 by 銀姫翠

  • 42
    そして、とうとう3日目の朝を迎えた。
    相変わらず狙われたままだというのに、化け猫は病院を出て、昨日入った廃ビルの1つに入った。
    「中の様子見えるか?」
    「うーん、イマイチ見えないねっ。ん?何か置いた・・・。昨日持ってたお酒のビンだねっ。それだけ見える」
    「午前は様子見だ。隙があれば殺す。夕方までには片づける」
    「・・・」
    「どうした、フェン?」
    「えっとねっ、時々ビンが見えなくなっては中身が減ってるんだよっ。まさか飲んでるってことはないよねっ?」
    「半々だな。昨日も酒の臭いがしてた。だが、アイツは走簡単には酔わないらしい」
    「ふ〜ん」
    化け猫がビルに陣を張っている今、それが完成する前に制圧したほうが良いのだが、化け猫相手だとそうもいかない。
    早くケリを付けたくもあるが、何より、昼間の奇襲はやりにくい。
    明るい空間から暗い空間へ飛び込めば、暗順応に時間を食うし、影や光の反射で敵に動きを読み取られやすいのだ。
    結局、化け猫はビルにこもったまま外へ出ず、時間ばかりがいたずらに過ぎて、夕方になった。
    「チッ、俺が行ってくる。フェン、お前はここで援護しろ」
    「えっ、でもっ」
    「いいから、お前じゃアイツに接近戦で勝てない」
    「・・・わかった」
    走狼はフェンをおいて、単独で乗り込んだ。

    2008年04月24日 18:13 by 銀姫翠

  • 41
    「やはり来たか」
    ビルの二階で、化け猫は走狼の到着を待っていた。その手にはサバイバルナイフが一本。
    すぐに、走狼が二階に着き、ドアを蹴破って滑り込んでくる。
    並の戦闘員ならばただの自殺行為だが、走狼の場合には状況が違ってくる。
    化け猫が拳銃を持っているのに対し、走狼は日本刀で挑むわけだから、遠距離は不利となる。だから一気に近接戦に持って行く。
    ビル内という狭い空間ではその弾道も限られていくので、走狼ならば、2、3発ならば斬り捨てられる。
    そしてその間に敵の懐に入り込むのだ。
    だがしかし、化け猫は走狼の予想を裏切った。即ち、銃は構えず、初めからナイフで待ち受けたのだ。
    もっとも、それで有利になることも特に無いのだが。
    「セアッ!」
    ちなみに、走狼に刀で挑んで生きている者など、過去にはいない。
    カン、キンキンキン、ガチッ!
    「ッ!?」
    驚いたことに、化け猫は走狼の刀の軌道を最小限の動きで全て逸らした。
    「良い軌道だな」
    「チッ、ダテじゃねェってことか」
    カン、カン、カン、ガッ、ギィーン・・・!
    その素早さ故に、ほとんど刀身の見えない剣戟を、化け猫はやはり全て受け流した。
    「テメェ、なめてんのかっ!?仕掛けてこいよっ!!」
    「ふん、今はそういう気分じゃなくてなっ」
    そう言うと同時、走狼の刀を強く弾いて距離を取り、左手を腰にまわした。
    「っ・・・!」
    走狼は銃を使われた場合に備えて刀を構え直すが、化け猫はまたしても予想を裏切り、発煙弾を投げた。
    ボフッ!
    一瞬で、狭い室内に煙が充満し、走狼の視界を奪う。
    そして、煙が薄れた時には既に化け猫の姿は無かった。
    パチッと無線を入れ、フェンに連絡をとる。
    「おい、奴はどこだ?」
    「もうとっくに戻ったよっ!」
    フェンの声にも苛立ちがあった。
    どうやら、再度の狙撃も外されたらしい。
    再びフェンと合流し、機会を窺うが、その夜、化け猫は一瞬たりとも隙を見せなかった。

    2008年04月23日 00:56 by 銀姫翠

  • 40
    「あっ、出てきたよっ」
    日が大分傾いた頃、監視を続けていたフェンが唐突に声を上げた。
    ちなみに、スコープは使っていない。レンズの反射で敵に位置を教えてしまうからだ。
    「隙があったら殺っちまえ」
    「わかってるよっ」
    フェンの眺めるその先で、化け猫はまるで散歩しているかの様に歩いていた。
    十数分後、化け猫は昨日と同じコンビニに入り、そしてすぐに出てきた。
    しかし、その手には、遠目でもはっきりとわかるくらいの大きなビニール袋を提げている。オマケに、片手にはウォッカのビンを 握っていた。こちらは、その独特の長方体のビンの形と、シンプルなデザインで判別できる。
    「何だアイツ、俺らがいるのわかってて酒飲むつもりか?」
    「さあねっ」
    帰り道、フェンの眺める中、化け猫はふらふらと近くのビルに入っては出てを繰り返していた。
    「次のビルから出てきたらその瞬間に殺れ」
    そして。少し後、化け猫がビルから出てきた。
    「今だ、撃て!」
    「いくよっ」
    今、化け猫が出ようとしている元雑居ビルは入り口が狭く、横に避けられる可能性はほとんどない。
    カチッ、パシュッ!
    引き金の音とサイレンサーで消音された発射音だけが静かに響く。
    そして、銃口の先の化け猫は・・・。
    それを猫は前に飛び込んで避け、そのまま他の建物の死角に入り込んだ。
    「チッ、何やってんだ」
    「読まれてたんだよっ」
    「しゃあねェッ!!」
    走狼は刃を握り直すと、ビルの外壁の突起を利用して飛び降り、化け猫の入ったビルに入った。

    2008年04月23日 00:56 by 銀姫翠

  • 39
    翌朝、真木は物音で目覚めた。
    「どうしたんだ?」
    「出て行く」
    「俺を殺すためにな」
    走狼が完結に答えるが、それでは真木には解らないので、化け猫が捕捉する。
    このとき、真木は気にもしなかったが、化け猫は昨日と若干すれた位置に座っていた。
    周囲のビルからの狙撃の死角に移動したためだ。
    元々走狼らに大した荷物はなく、ほんの数分で荷造りをすませると、フェンが真木に近付いてきた。
    「オジサン、今日からは護ってあげられないからこれあげる。敵が来たら迷っちゃダメだよっ」
    そう言うと、フェンはM92Fを一丁、真木に手渡した。
    「いや、でも・・・」
    「大丈夫、他にも持ってるっ」
    そういうと、くるりと背を向け、既にドア付近で待っている走狼の方へ駆けていった。
    「じゃあねっ」
    走狼は何も言わず、フェンは真木にだけ手を振って出て行った。
    「何で出て行ったんだ?」
    「ここじゃ俺を殺しにくいのさ。走狼は主に日本刀を使った近接戦闘に長けているが、この病室じゃ狭くて振り回しにくい。フェ ンは銃撃戦もできるが、どちらかと言えばライフル狙撃の方が専門なんだ。だからフィールドを変えた。それだけだ」
    そう言うと、真木は今までと同様に、ただ座って目を閉じた。
    「何もしなくて良いのか?」
    「ああ、今はまだ特に何もするつもりはない」
    「そうか」
    とりあえず、化け猫とフェンらが戦わなくて済むことに安堵した。
    「言い忘れたが」
    化け猫は真木の安堵に気づき、目を開けた。
    「狙われているからこそ冷静に対処するんだ」
    そしてそれだけ言うと、化け猫は再び目を閉じた。

    2008年04月23日 00:56 by 銀姫翠

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