断片小説
短編小説よりさらに短い、というか、小説の体を成してない。
でも、今思いついたシーンを書きたい、そんなことってあるじゃないですか。
そんなあなたの、日の目を見ない物語の欠片を、チラ、と発表してみませんか?
それが面白そうだったら、ブログの小説の方も読んでみようか、と思われるかも知れませんよ!
2007年09月21日 16:46 by 石瀬醒
殺さなければ、救われない。
救われたいなら、殺せない。
「どうして……、どうして俺達が殺し合わなければいけない!?」
「……どうして? 決まっている、それが僕達の運命だったんだよ……」
「運命だと!? ふざけるな!!
お前はそんな曖昧なモノのために祖国を裏切ったのか!?」
「君こそふざけないでほしいな。
僕は君の強さに憧れてここまで強くなった。
君がいたから僕はいる。僕と君が戦うのは運命だった。
だけど、君と戦うためには大義名分が必要だった」
「だから、祖国を裏切ったのか……!? そんなことのために……!?」
「そんなこと……!? あぁ、そうさ!
そんなことのために僕は国を裏切り、戦争を起こさせたんだ!
だから、戦おうじゃないか! 殺し合おうじゃないか!
僕達の戦いは運命なのだから!」
「親友だと、信じていたのに……!?」
「今でも親友さ。だから、戦争が起きたんだよ?」
「――畜生ォォォッ!!」
*****
何だか腐女子向けになった気がしますが、
別にそっちの趣向はありませんwww
面白い話にはなりそうなんで、いつか書くかもしれませんが、
当分書く気はないです。書くとしても長編になりそうですし、
しっかりしたプロット考えないといけなさそうですし。
でも、腐女子向けにするつもりはありませんwww
八年前のあの時、私は全てを亡くした
全部、仲間も、親も、帰る故郷も、何もかも、亡くした
私は憎かった
全てを奪った『アイツ』が、『アイツ』の振るうあの『大鎌』が
けど
何も出来なかった、ただわんわん泣き喚いて逃げ回っていた私が
一番、憎かった
一番、大嫌いだった
『アイツ』と同じぐらい、大嫌いで、憎かった
妖刀『村正』を握る力が強くなる
私の目には、ちゃんとしっかり、『アイツ』が見えていた
ウェーブが掛った蒼い髪、幼い外見
そして、『アイツ』の特徴とも言えるべき、あの『眼』
殺気と狂気が溢れ出る、氷のように冷たく残酷な蒼い瞳は、私を見つめていた
「…」
…大死神、それが『アイツ』の名
自分より数倍も大きい、三つの刃を持つ大鎌を、私に向けてくる
「…来ないの?」
「―――来いよ」
私は微笑んでくる大死神に対し、そう言い返す
―――大死神は飛びかかる
―――私は地面を蹴って迎え撃つ
「一緒に地獄に堕ちてあげる――――」
そう、これで終わる
私も、アイツも、全部終わる
* * * * * * * * * *
新しく出来た分身キャラで書いてみました
やっぱり下手だなぁ…自分orz
やっと僕等の順番が来た。
「お持ち帰りですかそれともこちらでお召し上がりですか?」
「ここで食べます」
「お決まりでしたらご注文をどうぞ」
「えっと、ポークバーガーと…」
「石田君?」
「はい?」
思わず返事をして顔を上げた。
目の前にいるのは、見知らぬハンバーガー屋のバイトのお姉さん。
「誰だよ今のお姉さんは」
席に着くなり木谷が聞いてきた。顔が近い。
「知らないよ、俺も」
とりあえず木谷を押し戻す。
「知らないわけ無いだろ、向こうはお前の名前呼んだのに。なんか、ちょっと派手だったけど、美人さんだったじゃんか!親戚か? 」
「知らないってば」
本当に知らなかった。
「なー、本当に知らないの?忘れちゃったのか?思い出せよー」
木谷はもう同じことしか言わない。
「それにしてもあんな綺麗なお姉さんを…」
木谷が黙った。
奴の視線を追って俺が振り返ると、噂のお姉さんがポークバーガーを持ってきていた。
マーカーを取り、バーガーを置く。
「ごゆっくりお召し上がりください」
言ったまま、しばらく笑顔で俺の顔を見つめる。
一拍あって気付いた。…質問タイムだ!
「あ、あの、なんで俺の名前知ってるんすか?」
「アタシ、美香の姉なの」
ややかぶせ気味にお姉さんが答える。
「美香?」
木谷が先に理解した。
「宇都宮さんのお姉さんですね」
確かに、彼女の胸の名札に『アルバイト・宇都宮』とある。
宇都宮美香?ああ、確かにうちのクラスに居たような…。
「でも、なんでお姉さんが俺の事知ってるんすか?」
体育祭でも見に来たのか?いや、だとしても憶えられる程の活躍をした記憶は無い。
宇都宮のお姉さんは、うーん、と斜め上を見て考える素振りの後、悪い笑顔になって、「ま、いっか」と呟いた。
「あのね、うちの美香、石田君のこと好きなんだわ」
「えーっ!」
と、叫んだのは木谷。
俺はちょっとその瞬間口が聞ける状態じゃあ無かった。
お姉さんはその隙に「じゃね」と軽く手を振って行ってしまわれた。
未だ推敲中の短編「エンジェル・ハント」から
2010年04月18日 12:14 by 石瀬醒
手首の骨があまりにも音を立てるから、
思い切って、折ってみた。
割れ目から現れたのは手のひらサイズの、小さなちいさな女の子。
手に持つのは、ミニチュアサイズの拍子木。
「あなたが熱くなり過ぎないように、毎日警告していたの」
あらあらお嬢さん。それはそれはご親切に。
無言で彼女と手首を元の位置に戻し、病院へと駆けた。
眼前に広がるのは、果てしない蒼色だった。
何処までも、何処までも蒼く、深い。
揺らめく光の下、遠方は霞がかった様に色を濃くし、その先を見せない。
眼下に広がるのは、一面に降り注ぐ蒼色に染められた、白。砂だ。蒼く見える、白い砂だった。足の裏に、そのきめ細かい柔らか さが伝わってくる。
ゆっくり、ゆっくりと足を踏み出す。新たな、柔らかな感触が足の裏から伝わる。僅かに、細かな砂粒が舞い上がった。キラキラ と輝く結晶は、ゆっくりと、地面に帰っていく。
進む足は、意に反して、もどかしい程に緩慢だ。足だけではない。全身の動きが遅い。
頭上を見上げると、捻れて揺れる境界面の向こうに光が見えた。真っ白な、目を射る光は、境界面の揺らぎに砕かれ、割られ、歪 み、姿を一定に保たない。
呆然とそれを見上げるうちに、その光を直接見たいと思った。形を変えられる前の、そのままの姿を。
両の足に力を込め、蒼白い砂を蹴って、跳び上がる。全身に満遍なくかかる抵抗 ─質量を振り払う様に、境界面に向かって手を 伸ばした。
─あと僅かで、境界面に触れられる。腕を掻き、足を蹴ってそこに近付く。
しかし、まとわり着く質量に抗うには、その手足は余りにも弱々しく、苛立たしい程に緩慢だった。
─近付けない─。そう思った瞬間、総身に恐怖が走った。苦しい。息が出来ない。吐き出した空気は泡となって昇り、肺には次々 と水が流れ込んでくる。
必死に、もがき、足掻く。けれども、体は沈んでいく。手を伸ばせば届きそうな距離にある境界面が、無限の彼方に在る様に思わ れた。
総身に走る、抗い様の無い恐怖と絶望。
─死─?
目を開けた瞬間は、何も見えなかった。荒い呼吸を繰返しながら、ゆっくりと半身を起こす。その頃には目が暗闇に慣れていた。
何の変哲も無い、見慣れた自分の部屋。閉ざしたカーテン越しに、外の街灯の光が僅かに差し込んでいた。
─夢、だった─?
未だ鳴り止まない鼓動を抑え、そう思う。
全身は、水を浴びた様に濡れていた。
2010年04月14日 23:22 by 秋海老 晶
一組の若い男女が向かい合って会話している。目の前のポテトは空でハンバーガーの包装紙がくしゃりと丸められていた。
「言いたいけど言えないことってあるよね。この前、あたしの上司の鼻毛が結構のびててね、怒っている途中だからとても言い出せ なかったの。普通のときでも言いにくいタイプの人だからやきもきしているんだけど・・・・・・って、あんた何にやついているのよ 」
「え、おもしろいなあって思って。もちろん、その話がだよ」
「その顔は違うことでにやついているんだわ」
「違うって。で、言いたいけど言えない言葉って話だよね。僕もあるよ」
「はぐらかそうと思って・・・・・・で、何なの」
「あなたが好きです、って好きな人に言えないよね」
「・・・・・・」
しばらく見つめれて女の子の方が赤くなる。女の子は考えていた。
この男とは腐れ縁でかれこれ何年も友人という関係である。しかし、ここ最近「好きな人ができたら言ってね。友達だろ」と言って きたり、こういう風に意味ありげな台詞を吐いたりする。
その度、彼女の方は反応に困る。このまま、恋とか愛とかの方に転がっていいのか。でも、それだと私は友達を失うことになる。
だって別れたりしたらもう友達にはなれない。友達ならケンカしても仲直りできるのに恋人通しのケンカは深刻なのだ。
「私は言えるわよ。好きな人に好きって」
暗にあなたでははない、と釘をさす。なのに彼は更に上を行く。
「言いたいことは言えるってことだね。だったら上司に鼻毛のことも言えるね」
「それとこれとは別だわ」
「一緒さ。だったら嘘になるよ。君は言いたいことを言えない子なんだ」
「あーもう、わかりました。そうね、小心者ですいません! てか今何時帰るわよ」
がたがた、と椅子を引き席を立つ。彼も同じように立ち上がりにこっと女の子を正面から見て微笑んだ。
「僕は好きな人ができた。聴きたい?」
「――あたしに好きな人ができた時用にとっといてくれる。のろけ聴きたくないし」
「のろけには、ならないと思うのになあ・・・・・・」
女の子は友達でいられるのも時間の問題に思え、少し憂鬱になるのだった。
おわり。
2010年04月14日 22:02 by 高瀬涼
「ねぇ、ネトウヨって何?」
インターネット上で活動する右翼の事だよ。
「右翼って何?」
左翼じゃない人の事だよ。
「じゃあ、左翼って何?」
右翼じゃない人の事だよ。
「……青次さんはどっちなの?」
どっちだろうね。ほら、もうおやすみ。
「うん、おやすみなさい」
心配いらないよ、何の心配もいらない。眠ってさえいれば、この不安定な世界のどんな残酷も君を傷付けやしない。
だから、無垢と無智を纏めて嘲るような連中に見付かるまで。回線を伝って流れる毒色の絵具に染められるまで。今は、おやすみ 。
目の前に怪物が十体。
守るべき人達の前に立ち、私は唇をかみしめた。
魔法陣を背中で隠すように描き、相手の行動パターンを読む。
―やっぱりね。思った通りだった…
運悪く、相手は接近戦を好むタイプばかりだ。
補助タイプの私にとって、もっとも苦手とする分野。
それでも、魔法陣を描く事は止めない。
―守らなきゃ…
例え負けると分かっていても、皆を守れるのは私だけしか居ない。
覚悟を決め、手を振りかざす。
『遺言は?』
決意を感じ取ったのか、携帯電話で繋がる上司の声が、電波を辿って耳に届いた。
「もちろん今までありがとう、だよ」
微笑しながら、地面を強く蹴り、高く空へと舞った。
天から降り注ぐ力を両手に込め、私は今、戦う―…
――――――――――――――――
これは、想像から始まったものです
色んな漫画などを読んで、自分にそんな力があったら…
という想像から生まれましたw
あんまり気にしないで下さい(○´∇`○)w
2010年04月07日 17:54 by お梅
どのくらいこうしていただろうか。
腕の中にいる小さな彼女。
見た目よりも小さな肩に、いつも愛しさを感じていた。
彼女は清らかな笑顔を顔に浮かべている。
その表情には、安堵の色が窺えた。
「やっと解放されたんだね。」
彼女の耳元に優しく話し掛ける。
柔らかなその素肌に触れてみる。
触れたら壊れてしまいそうで、
いつもあと1センチのところで止まっていた。
呼吸する俺と、どんどん冷たくなっていく彼女。
「君は『シアワセ』だったかな?」
彼女は死する事も、老いる事も無い。
人が理想とする身体のままでいることが出来た。
誰もが一度は望む願望。
…否、欲望だろうか。
しかし、生きる証も、若さを懐かしむ事も無い。
不老不死。
それは、彼女が生涯、闘い続けた最小で最大の『シアワセ』。
解放。
それは俺が唯一、彼女にしてあげられなかった『シアワセ』。
「君が愛しいよ。」
愛している。
その清らかな心が、いついつまでも輝いていますように。
嗚呼、いつもなら信じない神様よ。
もし…もしもそこにいらっしゃると言うのなら、
彼女に永遠の『シアワセ』を。
そして、どんな形でも構わない。
だからまた俺が、生まれてきたその時は、
どうかまた…彼女の隣に。
僕は紅茶を啜りながらるりちゃんの働きぶりを観察した。
紅茶は、ほのかに緑茶のような茶葉の香りのするもので、きっとさすが専門店、という味なのだろう。僕は珈琲党なのでピンと来な いのだが。
もちろんこの店のメニューには珈琲もある。
だが、これから『紅茶専門店』を謳う喫茶店の常連になろうというのだから、ここはそんな逃げを打つわけにはいかない。
僕はこれが美味い紅茶だという仮定に基づいて、美味い理由をいくつか探してみた。
舌に残るような渋味が無い。
香りが薄っぺらく甘いだけじゃない。
なんだか、コクのような甘みがうっすらと感じられる気がする。
…もしかすると、僕は今までまずい紅茶しか飲んだ事が無かったのか?
いやいや、そんなことはどうでもいい。
関心をるりちゃんに戻す。
この店はケーキやクッキーの販売もしているので、ショーケースを見て注文する客には、レジで「お持ち帰りですか?」と確認する のだが、その言い方が、るりちゃんは他のバイトの子と違っていた。
他の子が「おもちかえりですか」の『も』にアクセントのある“マニュアル風”な発音で言う決まり文句を、彼女は相手に対する個 人的な気遣いが自然にこぼれたような、『も』から『り』まで平板に発音する仕方で言った。
そうか、と僕は思い当たった。
初めてこの店に入った時、るりちゃんの対応に一瞬はっと、あるいはどきっとしたのは、この言い方のせいであったのだ。と、改め て理解した。
言葉に字面通りの感情を乗せるのは、非常に効果的なのだけれどすごく疲れることだろう。
僕はそう多くない自分のバイト経験を思い出す。
あの時、マニュアル化された『イラッシャーセーッ』という叫びを放つ代りに、客一人一人に向って気持ちのこもった『いらっしゃ いませ』を言っていたら…。
想像しただけで僕は少し疲れた。
人間の酸素消費量の約5分の1は脳によるものだというが、僕から見て、るりちゃんの客対応は、一見カロリー消費の大きい大声で の決まり文句詠唱より遥かにダイエット効果が高そうだ。
なんてことを考えつつぼうっとるりちゃんの顔に見入っていたら、視線に気付いた彼女が、とととっ、と近付いてきた。
「お冷、お注ぎしましょうか?」
『いや、ごめん…。君の顔に見とれてただけだから…』
などと言えるわけもなく、僕はなぜか顔を伏せて半分ほど水の残ったグラスを差し出した。
2010年03月26日 14:27 by 石瀬醒
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