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物書きの会

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断片小説

短編小説よりさらに短い、というか、小説の体を成してない。
でも、今思いついたシーンを書きたい、そんなことってあるじゃないですか。

そんなあなたの、日の目を見ない物語の欠片を、チラ、と発表してみませんか?

それが面白そうだったら、ブログの小説の方も読んでみようか、と思われるかも知れませんよ!

2007年09月21日 16:46  by 石瀬醒

コメント一覧 252件中、101~110件表示

  • 「ジル! ジルヴェスター!」
     標的の姿を探しながら、フィアスは勢い良く扉を開けた。視線を巡らせるまでもなく部屋の中心にいた少年が、僅かに苦笑しなが ら紅茶の入ったカップを差し出した。
    「そろそろ来る頃だと思っていましたよ」
    「これはどういうつもりなの!」
     怒りに顔を赤く染めて、フィアスは持っていた布切れを前に突き出す。それは申し訳程度の面積を持った赤い布で、機能性を無視 したレースで飾られていた。
    「どう、とは?」
    「こんな……こんな物を送ってきて! 婚約を取り消されたわ! 大体何なのよ、これ!」
     甲高い声で怒鳴るフィアスに、ジルは悠然と笑みを浮かべた。
    「娼婦の方は、負けられない夜にそういった下着を着るそうですよ?」
     細められた瞳が剣呑な光を帯びる。それには気付かず、フィアスは下着をジルに投げ付けた。
    「何を考えてるのよ! この変態!」


    ***


    誕生日の約束って小説を書く前に、最初に浮かんだ場面。実際には使いませんでしたが。
    これでも恋愛モノです(笑)

    2010年03月25日 03:03 by 時雨ハル

  • また俺は此処に居る

    煙と錆と、焼き焦げた臭いが溢れている

    何故此処に?

    答えは簡単だ


    俺は此処でしか居られないから

    生きた証、骨肉が覚える

    『お前は人の子じゃないのだよ?』

    嗚呼、憎たらしい

    でも此処が俺の生まれた場所

    帰る戦場(トコロ)

    * * * * *

    MGS見てたら書きたくなりましたm(__)m

    2010年03月24日 01:59 by 杜里 リュカ

  • 「今この時より、私ノイエは女王職を降り、臣下の列に名を連ねることを宣する!」

     女王ノイエはその日、玉座に座るや、そう宣言した。
    満座は水を打ったように静まった。朝議のために集まった文武百官は、どれも呆けたような面を並べ、声を発した当人の方を向いて いる。
     女王ノイエは見たところ16,7才。若いというだけでなく、どことなく『女王』という名がしっくりこない。女に違いないはず なのだが、髪は短く切り、物腰もたおやかさや柔らかさがない。整った顔をしているが、厳しさと繊細さが交じり合い、少年のような 面差しだ。
     その少年のような少女は、突っ立っているだけの諸侯を尻目に、さっさと玉座を降りてしまった。さっとマントを翻して諸侯に背 を向けると、玉座に目をやった。そこにはすでに新しい主人が座っていた。ノイエとは正反対な、可憐な少女だ。
     ノイエはその少女に向かって片膝をつくと、腰に佩いていた剣を鞘ごと抜き、柄を向こう向きにして目の前に置いた。ノイエは少 年めいたその面差しに相応しく、身なりもまた武人風に仕立てていた。肩から厚いマントを流し、男装で身をかため、片膝ついて玉座 に向かっている容姿は、まこと女王というよりは女王の身を守る一臣下といった方が似合っていた。
     ノイエはそのまま頭を下げ、誰もいないかのように静かな玉座の間に、厳かに声を響かせた。

    「再びこの剣を手にした時より、この身果てるまで、陛下の盾となり、剣となり、玉体を守護することを誓う」

     その言葉は玉座の少女へと向かい、確かに耳に届いたはずだ。しかし少女は動かない。まるで人形になってしまったかのように、 静かにじっとしている。ノイエもまた動かない。息すら止めてしまったかのようだ。恐らくノイエは、少女が、良い、というまで一日 中でもそうしているだろう。そう、なるかと思われた。が。

    「佩刀を許す」

     少女が口を開いた。見た目と違わず、可憐な、美しい声だった。


    2010年03月24日 01:24 by

  • 死神はただひとこと、選べ、と言う。

    いやだ。
    いやだよ。
    死にたくない……。

    無駄死に、なんて言われる死に方、するのはいやだ。
    けれど。

    意味のある死、なんて。
    だってそんなの、悲しい。

    死ぬことに意味があるなんて。
    悲しいじゃない。
    こうして死ぬために生まれて来たんだ、なんて、
    そんなこと思いたくない。

    無駄死にだろうと、
    意味のある死だろうと。

    だって、結局、一緒じゃない。


    でも、今のわたしにはもう、
    生きること
    を選ぶことは、できないのだ。

    死神はもう一度、私に言った。
    選べ。と。


    だったら。
    だったら、私は……。

    2010年03月23日 14:13 by 花舞小枝の春

  • 「単刀直入に行って、意味不明です」
     あんなことを言われて、冷静にふたつも四字熟語を並べることが出来たのは、ぼくがこのろくでもない大人の人となりを良く知っ ていたからだ。

     太陽と月が喧嘩した。

     そんな馬鹿げたことを言われても、意味不明としか言いようがない。
     だけどぼくの家のお向かいに住んでる滝沼研究員(自称)は、そんな馬鹿げたことしか言わない大人だった。
     滝沼研究員(自称)――ああ、もう面倒くさいから滝沼さんでいいや――は、自身を天文学者と名乗る、甚だ怪しいおっさんであ る。
     確かに家にはでっかい天体望遠鏡があったし、それっぽい資料だってたくさん並んでいる。ここは丘の上で、高地ではあるので、 星を見ようとする思考も、多分おかしくない。
     だけど滝沼さんはいつもニヤニヤ笑っていて、もういい歳だろうに嫁の一人もいないし、言うことといったらぼくをからかう類の 冗談ばかり。そのくせ自分のことは何にも喋らない。とてもじゃないけど、信用できるような大人じゃないのだ。
     そんなろくでなしが、中学生におとぎ話をしたところで、真面目に受け取れるはずもない。
    「太陽と月が、喧嘩。一体なんの比喩だって言うんです」
     それなら疑うべきは何か他のことを示している場合だ。
     滝沼さんは事務机に行儀悪く腰掛けていた。ぼくが訊くと、いつも通りのニヤニヤ顔で応じた。
    「比喩か。まあ、比喩っちゃあ比喩だが、正真正銘の事実でもある」
    「……太陽も月も、位置的には相当離れてるんじゃないんですか?」
     事実なわけない。太陽と月が喧嘩するなんて。正直に比喩だって言えばいいのに、どうしてこの人はこんなに回りくどい言い方を するんだろう。
    「住んでるところが離れてたって喧嘩ぐらいするもんさ。遠恋中の恋人同士考えてみろ、あいつらが喧嘩しないと思うか? あ、遠 恋ってわかるか、遠距離恋愛だぞ?」
    「そのぐらいわかってます」
     いちいち子ども扱いしないでほしいし、論点がずれている気がする。ぼくがしたかったのは天体の話で人間の、ましてや遠距離恋 愛中の恋人同士の話じゃない。ああ、まったく。せっかくの夏休みなのに、滝沼さんの無駄話になんか付き合っていたくない。
    「ぼく、帰っていいですか」
    「駄目に決まってんだろ。まったく最近の子どもは短気で困る。俺がお前くらいのときには、近所のばあちゃんちで、日が暮れるま で話を」

    2009年09月09日 23:25 by

  • こんばんわw

    断片小説を、ブログのほうで更新してます。
    ぜひ、見に来てください

    :http://m0ndtraum.blog61.fc2.com/blog-entry-2.html

    また、アドバイス・感想おまちしてます

    2009年09月03日 23:37 by まにゃ

  • 「白地図って知ってる?」
    俺の横を歩きながら、彼女は突然そんな風に言う。
    一通り今発せられた言葉を頭の中で繰り返してみるが、耳にした覚えはない。
    「なにそれ?」
    正直に、彼女に問う。
    「輪郭だけの、まっさらな地図のことだよ。」
    さらりと説明して、彼女は紅く染まり始めている空を見上げる。
    それっきり口を閉じてしまったものだから、俺はなにも理解できずに、黙って歩く。

    ざっざっざっざ。ざっざっざっざ。

    でこぼこの道を踏み進めていく音が、小気味よく並んで鳴る。
    まだまだ通い慣れていない道だったけれど。
    車は滅多に通ることはないし、他の生徒もほとんど見当たらない。
    大好きな彼女と一緒に歩くには申し分ない道だ。

    「私たちみたいじゃない?」
    ぼうっとしていると、また突然彼女は言った。
    「何が?」
    少し驚きながら、慌てて返す。
    「だから、白地図。」
    意味の分からないことを言う。
    彼女はその頭の中でいつもポエムなんかを考えているらしいから、発言がいちいち凝っていることを、今更ながらに思い出した。
    「何で?」
    説明を求めて、問う。
    「だって。
     今年から私たち、高校生だけどさ。
     まだ、就きたい仕事とか、何にも決まってないじゃない?」
    小さな笑顔を作りながら、彼女は続ける。
    「まっさらなんだよ。私たち。
     これから三年間、いろんなことから刺激を受けてさ。
     いろんな記号とか色をつけられていって。
     少しずつ、作り上げていくんだよ。」
    ふわりとこちらを振り返りながら話す彼女は、きらきらと輝いて見えた。
    「それで、いつか大人に近づいたら、まだまだ未完成なその地図を広げて、不安だけど ゆっくり歩き始めるんだ。」
    もう一度空を見上げて、彼女は大きく両手を広げた。
    勝手に一人で話を終えて、悦に浸っている。
    この会話の中で俺の言葉なんてほとんどなかったかもしれないけど。
    これが俺たちのいつもの会話で、いつもの心地よい距離感。
    だけど、男として、受け手にまわってばかりもいられないから。
    笑顔を作って、言う。
    「じゃあ、今のところ、その地図の真ん中に描かれているものは?」
    彼女は、俺との距離をくいっと詰めて、笑顔で言う。
    「それは、もちろん―――」
    手を繋ぐ。
    まだまだ、なにもない俺たちだけど。
    ゆっくりでいいから、一緒に歩いていこう。
    そう思った。

    2009年08月31日 23:05 by 黒目

  • 「ちわっす、宅配便です。」
    「・・・・・・・・・」
    午後10時ごろ我が自宅に、宅配便が来たらしい。
    そのくらいは分かる。伊達に25年も生きていない。
    しかし25年も生きた中に、マンション8階のベランダから、
    宅配便が来たのは初めてだ。

    「もしもーし、宅配便ですよ~」

    「えっ、あ~どうも」

    「判子お願いしま~す」

    随分軽い口調で話すものだ。

    宅配便を持ってきた青年(宅配員とでもいうのか?)は若く10代に見えた。アルバイトなのだろうか。

    しかし宅配便のアルバイトなど聞いたことがない。

    というか本当に宅配便なのだろうか・・・・・

    しかしだからといって、どうするというわけでもないし、

    何より今日は眠い。

    何の考えもなしに、適当に判子を押す。

    「ありがとうございました。」

    するとその青年は、クルッとベランダの手すりの方を向き

    そのまま手すりに乗った。

    ここでポイントなのは、両足の絶妙なバランスを使って手すりの上に乗っているところだ。

    「えっ!?ちょっと!危ないですよ。」

    思わず、足を掴もうとした瞬間

    青年の背中から、翼的なものが生えてきた。

    いやあれは、正真正銘の翼だった。

    そしてそのまま、膝を曲げ、マンション8階からジャンプして落ちた。

    しかし落下中に、翼を広げ、急上昇をしたかと思うと、そのまま羽ばたいてどこかに行ってしまった。

    「・・・・・・・・なんだったんだ?今の?」

    そういえば、宅配物を見ていなかった。

    「これは・・・・・!!」

    驚愕した

    宛名には、亡き自分の母の名前が書いてあったのだ

    2009年08月31日 19:42 by アシルス

  • ふわりと横にいる彼女の髪が風になびく
    彼女は邪魔に思ったのか、横髪を細い指で耳に掛けた。

    そして、そのまま僕の方をじっと見つめてきた


    僕は正直に綺麗だよと伝えた。


    言ってから少し照れくさくなったが、
    彼女が僕に笑いかけてきたのでどうでも良いと思った。

    彼女といる、この瞬間がすごく幸せ
    君に声が戻らなくても僕は構わない。

    僕は彼女の細い指を自分の指に絡めて
    強く、だけど優しく包み込むようにして握りしめた。

    2009年08月20日 15:43 by

  • ねえ、どうしてこうなってしまったの。
    ねえ、どうして私たちは同一でいられないの。

    それは彼女が涙ながらにささやいた、最後の言葉。

    彼女が閉じこもってしまった、小さな小さな箱庭から解放されるための、唯一の鍵。

    「箱庭から解放されるの、私はもう、自由になれるのよ!」
    何を言っているのか、分からない。
    彼女は元々明るくてかわいらしい少女だった。
    それなのに。
    彼女を裏切ったのは、きっと。
    きっと。

    くるくると回り続ける走馬燈が、僕の罪を糾弾し続ける。

    彼女以外の女にかりそめの愛を振りまいたことへの贖罪をせよと糾弾する。

    彼女以外の女が現れたことで崩れてしまった二人だけの約束された楽園を取り戻せと迫る。

    「ねえ、私は自由になるの。箱庭にはもう、戻れない」
    そう言って彼女は僕の唇を乱暴に奪う。
    幼なじみという立場にあったのに、それを愛するという行為のせいで楽園を無くしてしまった。
    そして、今、彼女は僕の心臓の前に銀色に光るナイフを突きつけている。
    「ねえ、どうしてあんなことしたの」
    「どうして箱庭から逃げ出してしまったの」
     わたしは、あんなに、あいしていたのに。
      どうしてあなたは、わたしとどういつであることをきょひしてしまったの。
    かすれるような涙声。
    面を上げた彼女は、かすかに微笑んでいた。
    そして、心臓を焼くような灼熱の痛み。
    視界を覆うのは、一面の、アカ。

    2009年08月18日 15:30 by くれさききとか

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