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物書きの会

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断片小説

短編小説よりさらに短い、というか、小説の体を成してない。
でも、今思いついたシーンを書きたい、そんなことってあるじゃないですか。

そんなあなたの、日の目を見ない物語の欠片を、チラ、と発表してみませんか?

それが面白そうだったら、ブログの小説の方も読んでみようか、と思われるかも知れませんよ!

2007年09月21日 16:46  by 石瀬醒

コメント一覧 252件中、31~40件表示

  •  蟻が、竹を登っている。とはいっても、竹は緑緑としたものではなく、何年も前に折られて命の泉を断たれた、白っぽい枯れた竹 だ。それが、道路のわきに植えられている背の低い木を守るように囲んでいる。
     そんな竹に蟻は登っている。地面に直立する竹にそう難しげもなく上へと向かって進んでいる蟻を見て、よくできるものだな、と 思った。
     蟻は特に障害もなくするすると登っていって、見えなくなった。もしかすると、陰の方へいってしまって見えなくなったのかもし れないし、頂上へ登ることに意味を見出せなくなったのかもしれない。しばらく竹のてっぺんのほうを見つめたが、蟻が現れる気配は なかった。

    『あり』

    2011年06月18日 11:50 by 小桜 羽色(こざくら はいろ)

  • 「殺す……。殺せるわ……。
     君が私の幼馴染でも……、君が私の大好きな人でも……」

     それは最低の告白だった。
     もう私の言葉など届かないと知っている。
     だけど、それでも言わなければいけないことだった。

     きっとこれが私の運命だった。
     ずっとずっと前から知っていた運命だった。
     私は始めから彼を殺すために生まれた。

     好きになってはいけなかった。

     だから、忘れようとしていたのに。
     だから、嫌いになってしまおうと思ったのに。

     死装束を纏った私は梓弓を引く。
     放たれ弓は真っ直ぐに鬼と化した彼の心臓に狙いへと……。

    -----------------------------------------------

    現在、頭の中で湧いてるストーリー。
    冒頭のシーンに使うかもしれないですが、
    多分もうちょっと文章煮詰めて整えますが。

    最初の四行はそのままで~、
    あとは構成とかプロットがしっかり固まってきたら
    修正と調整していく感じで。

    まぁ、書かない可能性もなきにしもww
    ちょっと今いろいろ煮詰め中です。


    どうも仮題も決まっていない話は
    上手く形になりませんねw とりあえず仮題をどうにかしないと……。

    2011年05月02日 00:24 by

  • 「おばちゃん、これ、いくら」

     声変わり前の幼い声が、女性を呼んだ。
    夕闇に沈みゆく市場は、昼間とは違った活気に包まれている。
    慌ただしさ、そして喧噪。小さな食料品店を切り盛りする彼女は、はいはいと愛想良く返事をしてみせる。

    夕飯のお使いで幼い子どもが買い物に来るのは、珍しいことではない。
    お腹を空かせ、早く家路に就きたいであろうその子のために、彼女はできるだけ早く前の客をさばいた。

    「はい、お待たせ」 

     彼女が幼い客に向き直ろうとした、まさにそのとき。
     轟音が空気を裂いた。

     店の軒先が崩れ、白いテントが破れて落下してくる。
    裸電球に照らされた果物が、つややかにきらめきながら宙を舞う。食料品店の女性がテントの下敷きになって、市場は途端に騒 然となった。
     そんな中、わずかに残った軒先の残骸から、一つの華奢な影が降り立った。

    「『黒猫』だ!」

     砂埃の中、悲鳴に近い叫び声が上がる。華奢な影は手当たり次第に果物やパンを掻き集め、そして走り出した。

     早い。

     人混みを縫い、市場を抜けていく彼の姿はまさしく黒猫だった。
    漆黒の髪の一本一本が、市場の照明を照り返してやわらかに光る。追いかける大人たちを嘲笑うかのように、彼はあっというまに 雑踏にまぎれ、見えなくなっていく。
     食料品店の女性はなんとかテントの下から這いだし、辺りを見渡した。

    「あんた、大丈夫かい」

     自分の背後に佇んでいた、例の少年の姿を探す。
    この喧噪の中じゃ家まで帰り着けまい、いや、…それよりも、怪我なんかしていないだろうか。

     ふと、女性は腰が軽いことに気がついた。小さな異常に眉をひそめ、いつもそこにぶら下げているはずのものを探す。今日の売上 金のたっぷり入った、長年使い込んだ財布。

     無い。

     はっとした。
    そのとき初めて女性は、あの子の顔を見ていないことに気がついた。
    黒猫の後ろ姿はどんどん遠ざかる。
    薄紫色の空に浮かぶ鱗雲に向かって、どんどん遠ざかっていく。

    ☆☆☆☆☆
     舞台は鉄コン筋クリートのイメージです
     兄弟をかくのが好き たのしいです
     

    2011年05月01日 21:31 by 梶野幸

  • 「まあ、主人公としては見逃せないよな」
    「んだてめぇ!」
     あっという間に囲まれてしまった。
     正直、絡まれてた女の子が可愛かったからという不純な理由で主人公になれるとは思わないが、やってみないと物語は始まらない 。
     チンピラ共は5人、勝てる訳ねぇ。バカジャネーノオレ。
    「オレが誰かなんて関係ねーだろ。掛かって来いよ雑魚共」
    「ハァ!?何言ってんだてめぇ!!」
     チンピラが殴り掛かって来た。
     クリティカル!
     会心の一撃!!
     痛恨の一撃!!!
     効果は抜群だ!!!!
     主人公は力尽きてしまった。
     
     
     数十分後。
    「だ、大丈夫ですか!?」
    「そこは死んでしまうとはだらしないとか言おうよ」
    「へ?……そ、そんな事より大丈夫ですか?」
     女の子が話し掛けてきた。
    「大丈夫に見えないだろ。オレよりも、そっちは大丈夫なのか?」
    「私は大丈夫ですけど……痛くないんですか?」
    「痛いよ。凄く痛い。でも男の子だから我慢してんの。それより、手ぇ貸してくんないか?アバラが折れたみたいで立ちにくいんだ 」
    「アバラって…大変じゃないですか!」
    「リアクションはいいから手ぇ貸してくれよ」
    「わ、わかりました」
    「……ッ痛」
    「だ、大丈夫ですか!?」
    「もういいからそのリアクション」
     立ち上がり、一息付いてから、
    「まだメシ食べてないのか?」
    「え?まだですけど…」
    「なら食いに行こうぜ。オレが奢るから」
    右手を挙げそう言った。
     
     その手には、五つの財布が握られていた。



    ―――――――――――――――――――

     中三です。受験勉強の合間に日記と小説をやっています。
     『妹は駄目人間』というタイトルでやっています。
     ググれば出て来ると思うので、良かったら見てください。

    2011年04月29日 21:51 by

  • 時代遅れという言葉がある。
    その言葉は人をばかにする言葉だと私は認識している。
    だが私はまだ一回も他人に時代遅れだと言われた事はない、それはひそかな自慢だ。
    だが案外時代遅れという言葉を言われた事があるという人間にはあった事がない。私には友人が少ないという点も関係があるのかも しれないが。
    もしかしたら陰で「あの人時代遅れじゃない?」とひそひそ言っていて聞こえていないのかもしれない。
    何故堂々と人の前で、「あなたは時代遅れです」と言えないのだろうか?
    まぁ自分も堂々とそんなことは言えないが、私にだって空気を読む事ぐらいは出来る。
    だが堂々とそんな事を言える人間になりたいものだ。


    終わりです。独白みたいなのを書かせてもらいました。

    2011年02月26日 00:06 by 晴れのちクモリ

  • ▼シャコ、シャコシャコ!

    「姉ちゃん、今日の夕飯は何?」

    「江戸前のシャコですよ。
     シャコ丼にシャコ天、シャコサラダです。
     お姉ちゃん、腕によりをかけて頑張りました。
     ちなみに、今回は本物です」

    「姉ちゃん、それだとこれまでが偽物ばっかり
     みたいな感じだよ!? 違うよね!?
     これまでのエビフライとかも全部本物だよね!?」

    「弟君は純粋ですね。
     前回、前々回のやり取りを見て、
     まだアレらが本物だと信じているなんて」

    「姉ちゃん、信じてるんじゃなくて信じたくないだけだよ!?」

    「まぁ、それはさておき、今回のシャコは本物ですよ。
     よかったですね、弟君。。今回は本物が食べられて」

    「姉ちゃん、今回は、なんて言わないで!?
     今回も、って言って!! お願いだから!!」

    「まぁ、それより頂きましょう。
     本物ですから美味しいですよ」

    「姉ちゃん、本物ってのを強調しないで!!
     僕はもう過去を振り返ることが出来なくなるから!?」

    「それにしてもよかったですね、弟君。
     もし、今回のネタが牡蠣でしたら
     確実に弟君だけに野呂さんが当たって
     きっと大変なことになってましたよ」

    2011年02月24日 00:00 by

  • 「姉ちゃん、どうして僕だけなの!?
     あと、誤字だよ!? 野呂さんって誰!?
     食あたりのアタリは当たるじゃなくて
     中るが正しいんだよ!!
     それだと、野呂さんという謎の人物に
     体当たりでも食らうみたいな意味になるよ!?」

    「食事中にうるさい子ですね。
     お姉ちゃんはそんな教育をしていません」

    「姉ちゃん、僕が五月蠅いというか
     突っ込みを入れずにいられないのは
     姉ちゃんのせいだよ!?」

    「あァ? 人のせいにしてんじゃねぇよ?
     さっさと食えよ。てめぇに本物食わすのは稀なんだぞ?」

    「姉ちゃん、食べるからそんなガラ悪い感じにならないで!?」

    「くきゃきゃきゃ……、馬鹿みたいに美味しそうに食べてますね」

    「姉ちゃん、その笑いに何故か不安を感じるよ!?」

    「そういえば、弟君。こんな都市伝説を知っていますか?
     東京湾でとある水死体を引き上げた時の話です」

    「姉ちゃん、食事中にそういう話題はどうかと思うよ!?」

    「水死体はそれはそれは酷い惨状で……。
     全身を覆いつくすようにシャコが群がっており……
     それはもう人間と呼べる形状ではありませんでした。
     まぁ、シャコに限らず、海の生き物はほとんど雑食なので
     たとえば大きな海上事故が起こったりすると、
     その周辺の海では豊漁になるそうですよ」

    「姉ちゃん、ごちそうさまでした!!」

    「あら? もういらないんですか。
     じゃあ、この美味しい江戸前のシャコは
     お姉ちゃんが全部頂きますね」

    --------------------------------------------------

    姉ちゃんと僕シリーズw
    またも何故か節足動物になりました。

    http://cz750211.blog29.fc2.com/blog-entry-389.html

    2011年02月24日 00:00 by

  • 「なんで僕は喋る事ができるんだろう。わかる?」
    「知るかよ。俺が聞きてえ」

     真っ白な毛並みが美しい、碧色の瞳をした猫が語りかけてくる。
     道端で弱ってたから拾ったっつーのにいきなり人語を話し出した時には驚いた。
     あやうく研究機関を調べるところだったぜ。

    「それ危ういのは僕だよね。売り飛ばそうとしたの?」
    「お前が食ってるそのキャットフードで俺の今月の食費は尽きた」

     ちなみに今月に入ってから十日と経っていない。

    「むしゃむしゃ」

     都合よくシカトしやがってこのクソ猫……!

    「てめえ俺が三味線工場の人間じゃなくて良かったなコラ」
    「あ、ところでご主人ミルクが欲しい」
    「唐突に厚かましいなマジで!? っつーか既に飼い猫気分かご主人て」

     ぜってー風呂に入らせて身体を温めた後に、腹一杯メシ食わせて暖かいミルクを無理矢理飲ませてから毛布の上で監禁してやるか らなボケッ!



    ※断片小説用に考えて5分で書き上げた拙作。
    心暖まるモノにしようと思っていたのに何故か図々しい白猫とツンデレの可笑しな日常になっていた。

    2011年02月07日 20:28 by 草壁公司

  • 初夏の風が薫る五月も半ばの午後。

    どこか透きとおったような青い青い空に引かれる、一筋の飛行機雲。

    ごうごうと音を立てながら空を飛ぶ飛行機が、私にはひどく不釣合いに見えた。

    「鉄なのにすごいね・・・・・・」

    ふと落とした視線の先にある大きなビルは、上半分が空の色に溶けているみたい。

    鮮烈な太陽の光は窓に反射して、風景からその部分だけを切り取ったように空白を作る。

    ホームへの階段を降りると、むせ返るように熱い空気の塊が私を包んだ。

    汗がじんわりとにじむ様でとても気持ち悪かった。

    けれど。

    だからこそ、この季節がやってきたのだと私は思えるのだった。

    2011年02月01日 23:34 by しろつき

  • 「ルガータの眼は、本当に紅いよな。――王の色だ。やっぱり特別な色だよな」
     バイセはルガータの紅い瞳を見る度に誉める。それは他人もそうだった。
    「だからって俺の出自は、良くてせいぜい愛妾の胤辺りだろ」
     庶民には滅多にお目に掛かれない紅玉の瞳は、カーヘ国を治めていた一族――滅ぼされた王家の者にしか現れない。どんな伴侶と 一緒になろうとも、何故か子は必ずと言って良い程『紅眼』だ。
     だから皆ルガータを、王の寵姫辺りの胤子だろうかと予測している。この街にはルガータ以外にも紅眼の者は少し居るのだが、ル ガータ以上に血のように濃く純粋な紅の眼を持つ者は居ない。
    「俺の出自は定かじゃ無いんだし、あんまり期待されても困る。――それより、年頃の女の子に必要なモノって何かあるか?」
    「何だルガータ。まさかお前、お目当ての娘でも出来たのか?」
    「違う!」
    「違うならそんな事訊くなよー」
    「何でも良いから教えろ…!」
     恥辱に限りなく近い羞恥心を堪えて、それでもルガータは言った。
    「そりゃ…イロイロあるけど。何ならお前のピアスと揃いのでも作ってやろうか? 金はちゃんと取るけど」
    「そ、そーゆーのじゃ無くてもっと、日常生活において無くてはならない、みたいな…」
    「それは…着替えとか…。 ――お前女の子と暮らす事にでもなったのか?」
    「ッ! 何で判…」
    「え。」
    「え。」
    「え。」
     一瞬沈黙に閉ざされ、次の瞬間――
    「マジ!? 嘘ホントかよ!」
    「誰!? どこの女?」
    「ルガータも男だったか…」
    「ち、違ッ! 昨日の夜盗みに入ってヘマした時、匿ってくれた奴隷の娘なだけだ! あまりにもガリガリで傷だらけで、命の恩人 だし可哀相だしで、屋敷から連れ出しただけだ!」
    「それで成り行きで面倒看る事に? うわぁやっさし~」
    「五月蝿ェな! 何だって良いだろもう!」
    「取り敢えず年頃の女の子って事はお前と同じくらいなのか?」
    「えーと…本人も曖昧だけど、多分十五歳だと思うって」
    「その娘って奴隷だったんだろ? ちょっと難しいな……」
    「何が?」
    「碌に栄養も摂らせてもらえず厳しい労働生活。身体ガリガリで小さいんだろ? だったら――「果たして栄養不足なその娘に、真 っ当な月の障りは来てるのかな?」と推測するのが難しいな、って事」
    「――――――――ッ!」





    砂漠の国がイメージの、盗賊少年と奴隷少女。

    2011年02月01日 23:11 by 久。

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